2024年7月19日、総務省が発表した「2020年基準 消費者物価指数 全国2024年(令和6年)6月分」によると、総合指数は前年同月比2.8%の上昇となりました。また、生鮮食品を除く総合指数は前年同月比2.6%、生鮮食品を及びエネルギーを除く総合指数は2.2%の上昇です。
収入の伸びが物価上昇に追いついておらず、家計が苦しい世帯も増加していることでしょう。
6月には政府が行う物価高騰への対応措置として「ひとり4万円の定額減税」が行われますが、定額減税によって一時的に手取りが増えるものの、家計・経済においてどれほどの効果がないとの声も少なくありません。
そんな中、迫りくる老後への備えについても考えていかなくてはいけません。
本記事では、老後が近い50歳代の貯蓄額を確認していきます。
また新NISAを活用して50歳から65歳までに「あと1000万円」をつくるために、毎月いくら積み立てればよいのかをシミュレーションしていきます。
1. 【50歳代の平均貯蓄額はいくらか】単身世帯で1391万円
公的年金(老齢年金)の受給開始となる65歳まで時間は限られていますが、そんな50歳代世帯は、いったいどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、50歳代の貯蓄額を「単身世帯」と「二人以上世帯」に分けて見ていきます。
※本章で確認する貯蓄額(金融資産保有額)には預貯金以外に株式・投資信託・保険などの金融商品残高が含まれます。
1.1 平均貯蓄額と中央値
- 平均:1391万円
- 中央値:80万円
1.2 金額階層別の世帯割合
- 金融資産非保有:38.3%
- 100万円未満:11.2%
- 100~200万円未満:5.2%
- 200~300万円未満:2.7%
- 300~400万円未満:3.6%
- 400~500万円未満:3.8%
- 500~700万円未満:4.6%
- 700~1000万円未満:5.5%
- 1000~1500万円未満:4.9%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:4.4%
- 3000万円以上:9.3%
50歳代・単身世帯の平均貯蓄額は1391万円ですが、中央値は80万円です。
平均値は一部の富裕層に引き上げられるため、より実態に近い数値となるのは中央値となります。
また、貯蓄額ごとの世帯割合を見ると、貯蓄ゼロの世帯が38.3%と約4割を占めていることがわかります。
次に二人以上世帯の貯蓄額を見てみましょう。