5. 物価高で年金増も、少子高齢化の日本では「実質目減り」に。早くから備えを
年金についてもう一つ知っておきたいのは、毎年度改訂されることです。
2024年度の年金額は以下の通り。
5.1 2024年度の年金額の例(国民年金と厚生年金):月額(前年度比)
- 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
- 昭和31年4月1日以前生まれの方は月額 6万7808 円(+1758 円)
- 厚生年金※:23万483円(+6001円)
※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。
物価高の影響で2.7%増額となりましたが、マクロ経済スライドの調整により実質的には目減りとなりました。
少子高齢化の日本においては、今後年金額が下がる可能性も考えられます。
女性は厚生年金でも月10万円未満という方は珍しくありません。
また、女性の受給権者数をみると厚生年金は約539万人に対し、国民年金は約1897万人。
国民年金は平均で5万円台ですから、年金を月10万円以上受給できる女性は少数派なのです。
ただし、現代は共働き世帯が増えており、パートの厚生年金の適用も拡大しています。
平均寿命が伸びる分、老後も伸びていますから、今からできる年金や、それ以外の貯蓄やキャリアなどの対策を考えていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
- 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」2024年6月21日
- 厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
宮野 茉莉子