3. 家計が圧迫されている要因
家計が圧迫されている要因として考えられるのは、以下の3つです。
- 社会保険料の負担増
- 食品価格の高騰
- エネルギー価格の高騰
それぞれの要因について確認しましょう。
3.1 社会保険料の負担増
生活意識が苦しくなっている要因の1つが「社会保険料の負担増」です。
財務省が公表している「国民負担率」を確認すると、2023年度の社会保険料の負担割合は18.6%でした。
社会保険料の負担割合は、徐々に増加しています。
30年前と比較すると、社会保険料の負担率は約7ポイント増加しています。
- 1993年:11.5%
- 2003年:13.6%
- 2013年:16.8%
- 2023年:18.4%
以上から、収入から負担する社会保険料の負担率の増加が、家計を圧迫しているといえます。
3.2 食品価格の高騰
食品価格の高騰も、家計を圧迫している要因です。
帝国データバンクが調査した「食品主要195社」価格改定動向調査によると、2024年の値上げ品目数が1万品目を突破すると推測しました。
2024年秋には値上げラッシュの見通しがあり、家計を圧迫するリスクは今後も高まるでしょう。
3.3 エネルギー価格の高騰
最後に、エネルギー価格の高騰も生活が苦しいと感じる要因です。
とくに家計に影響を受けるのが「光熱費の高騰」です。
政府は、エネルギー価格の高騰を補助する目的で「電気・ガス価格激変緩和対策」を実施していました。
しかし、2024年6月と7月使用分の補助がなくなるため、電気代やガス代がこれまでより高くなる可能性があります。
8月使用分から10月使用分まで、ふたたび補助を実施する見通しですが、一時的な負担増となれば家計を圧迫する要因となるでしょう。
4. 家計のやりくりが今後も厳しくなる可能性が高い
世帯のケースごとに所得金額と生活意識について解説しました。
所得が増えたとしても、支出が増えれば家計のやり繰りが大変になります。
今後もさまざまな項目で支出が増える可能性があるので、生活費が圧迫される可能性が高いでしょう。
今まで以上に節約や貯蓄を意識しながら、生計を立ててください。
参考資料
- 厚生労働省「2023年 国民生活基礎調査」
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和6年5月分結果速報」
- 財務省「国民負担率(対国民所得比)の推移」
- 帝国データバンク「食品主要195社価格改定動向調査」
- 資源エネルギー庁「電気・ガス料金支援」
川辺 拓也