止まらない物価上昇、そして増えにくい給料。資産づくりへの一層の工夫が求められるこんにち。飲食品をはじめとする多くの生活必需品の値上げが続く中、家計管理の正念場に奮闘している世帯は決して少数派ではないでしょう。

そんないま、本記事で紹介する野村総合研究所の調査結果によると、日本では富裕層と呼ばれる世帯が増えています。

ではみなさん「富裕層」という響きに、どんなイメージを持つでしょうか。「細かい出費にはケチらないのでは?」「湯水のごとくお金を使えるだろう」「最新のブランド品で身を固めていそう」といった声も聞こえてきそうですね。

実は、富裕層と呼ばれるホンモノの資産家たちの多くが、地道な節約、そして堅実的な戦略によって「お金を守りながら増やす」工夫をしているのです。

今回は、富裕層の定義に関する調査結果などを交えながら、ホンモノの資産家たちが自然にやっている「節約」にまつわるお話をしていきたいと思います。

1. 【富裕層とは】どの程度の資産家を指している?野村総研のリリースより

1.1 富裕層や超富裕層はどのくらいいる?

 

  • 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
  • マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円

野村総合研究所は2023年3月1日にリリースした調査結果(※)で、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の世帯を「富裕層」、5億円以上の世帯を「超富裕層」と定義。この2つの層はトータルで148万5000世帯であるとしています。

調査結果を見ると、いわゆる「アベノミクス」が始動した2013年以降、株式などの資産価格の上昇を背景に、富裕層の資産規模や世帯数が伸び続けています。

いわゆる「お金持ち」の世帯数は増加中ということのようですが……。

※野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」(2023年3月1日)