3. 平均以上の貯蓄を有している世帯は2割前後
40歳代と50歳代の貯蓄額から、平均以上の貯蓄を有している世帯の割合を見てみましょう。
3.1 貯蓄平均値の達成割合
- 40歳代・二人以上世帯:28.3%
- 40歳代・単身世帯:24.7%
- 50歳代・二人以上世帯:20.8%
- 50歳代・単身世帯:17.8%
平均以上の貯蓄を有している世帯の割合は2割前後となっており、豊富な資産を持つ世帯が平均値を引き上げている状況が顕著に現れています。
特に単身世帯はその傾向が強く、平均値だけでは実態が読み取れません。金融資産非保有世帯の割合が4割前後と高いこともあり、中央値との乖離が大きくなっています。
4. 老後に向けて早めの行動を
40歳代と50歳代の貯蓄状況を見て、どのように感じたでしょうか。
平均値だけを見ればある程度貯蓄ができているように思えますが、平均以上の貯蓄を有している世帯は全体の2割前後です。
より実態に近い中央値を見ると、40歳代・50歳代の二人以上世帯ではそれぞれ220万円・300万円、単身世帯ではそれぞれ47万円・80万円となっています。
40歳代・50歳代は氷河期世代にあたることもあり、貯蓄に回す余裕がなかった世帯も多いのでしょう。
とはいえ、現状を嘆いていてもいずれ老後は訪れます。
老後を迎えてから多くの資金を準備するのは困難なので、なるべく早いうちから準備を始めておかなければなりません。
預貯金だけでは資産を増やすのが難しい今、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用した資産運用も視野に入れ、早めに行動しましょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「令和6(2024)年財政検証関連資料②-年金額の分布推計-」
加藤 聖人