一般的に、現在の40~50歳代の方々は「氷河期世代」と呼ばれており、非正規雇用者がまだまだ多い世代となります。
2024年7月3日に公表された「2024年の財政検証結果」によると、経済が成長したと仮定した場合、現在50歳の人が受け取れる年金は13万2000円となりました。
過去30年投影ケースにおいては、11万9000円。いずれも40歳→30歳→20歳になるほど年金額は高く算出されています。
氷河期世代の中には貯蓄に回す余裕がなかった世帯も多いと思われますが、実際に40~50歳代を迎えている方々はどのくらい貯蓄できているのでしょうか。
今回は、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」から、40歳代と50歳代の貯蓄状況を世帯別に見ていきます。
40歳代と50歳代の平均貯蓄額や、平均以上を有する世帯の割合を確認しましょう。
1. 「二人以上世帯・単身世帯」40~50歳代の貯蓄がわかる円グラフ
まずは円グラフにて世帯ごとの貯蓄額を見ていきます。
次章にてくわしく見ていきましょう。
2. 「二人以上世帯・単身世帯」40~50歳代の貯蓄状況
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40歳代と50歳代の貯蓄状況は以下のようになっています。
2.1 40歳代・二人以上世帯の貯蓄状況
- 金融資産非保有:26.8%
- 100万円未満:9.6%
- 100~200万円未満:8.9%
- 200~300万円未満:4.9%
- 300~400万円未満:5.7%
- 400~500万円未満:3.8%
- 500~700万円未満:7.4%
- 700~1000万円未満:5.6%
- 1000~1500万円未満:7.4%
- 1500~2000万円未満:3.5%
- 2000~3000万円未満:5.3%
- 3000万円以上:6.5%
- 平均値:889万円
- 中央値:220万円
2.2 40歳代・単身世帯の貯蓄状況
- 金融資産非保有:40.4%
- 100万円未満:11.1%
- 100~200万円未満:5.2%
- 200~300万円未満:4.0%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:4.6%
- 700~1000万円未満:7.7%
- 1000~1500万円未満:6.2%
- 1500~2000万円未満:2.2%
- 2000~3000万円未満:4.3%
- 3000万円以上:4.3%
- 平均値:559万円
- 中央値:47万円
40歳代の平均貯蓄額は、二人以上世帯で889万円、単身世帯で559万円です。
より実態に近い中央値を見ると、二人以上世帯が220万円、単身世帯が47万円となっています。
2.3 50歳代・二人以上世帯の貯蓄状況
- 金融資産非保有:22.7%
- 100万円未満:9.1%
- 100~200万円未満:6.4%
- 200~300万円未満:3.8%
- 300~400万円未満:3.9%
- 400~500万円未満:3.8%
- 500~700万円未満:5.6%
- 700~1000万円未満:5.5%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:4.2%
- 2000~3000万円未満:5.4%
- 3000万円以上:11.2%
- 平均値:1147万円
- 中央値:300万円
2.4 50歳代・単身世帯の貯蓄状況
- 金融資産非保有:38.3%
- 100万円未満:11.2%
- 100~200万円未満:5.2%
- 200~300万円未満:2.7%
- 300~400万円未満:3.6%
- 400~500万円未満:3.8%
- 500~700万円未満:4.6%
- 700~1000万円未満:5.5%
- 1000~1500万円未満:4.9%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:4.4%
- 3000万円以上:9.3%
- 平均値:1391万円
- 中央値:80万円
50歳代の平均貯蓄額は、二人以上世帯で1147万円、単身世帯で1391万円です。
より実態に近い中央値を見ると、二人以上世帯が300万円、単身世帯が80万円となっています。
では、平均以上の貯蓄を有している世帯はどのくらいあるのでしょうか。
3. 平均以上の貯蓄を有している世帯は2割前後
40歳代と50歳代の貯蓄額から、平均以上の貯蓄を有している世帯の割合を見てみましょう。
3.1 貯蓄平均値の達成割合
- 40歳代・二人以上世帯:28.3%
- 40歳代・単身世帯:24.7%
- 50歳代・二人以上世帯:20.8%
- 50歳代・単身世帯:17.8%
平均以上の貯蓄を有している世帯の割合は2割前後となっており、豊富な資産を持つ世帯が平均値を引き上げている状況が顕著に現れています。
特に単身世帯はその傾向が強く、平均値だけでは実態が読み取れません。金融資産非保有世帯の割合が4割前後と高いこともあり、中央値との乖離が大きくなっています。
4. 老後に向けて早めの行動を
40歳代と50歳代の貯蓄状況を見て、どのように感じたでしょうか。
平均値だけを見ればある程度貯蓄ができているように思えますが、平均以上の貯蓄を有している世帯は全体の2割前後です。
より実態に近い中央値を見ると、40歳代・50歳代の二人以上世帯ではそれぞれ220万円・300万円、単身世帯ではそれぞれ47万円・80万円となっています。
40歳代・50歳代は氷河期世代にあたることもあり、貯蓄に回す余裕がなかった世帯も多いのでしょう。
とはいえ、現状を嘆いていてもいずれ老後は訪れます。
老後を迎えてから多くの資金を準備するのは困難なので、なるべく早いうちから準備を始めておかなければなりません。
預貯金だけでは資産を増やすのが難しい今、NISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用した資産運用も視野に入れ、早めに行動しましょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「令和6(2024)年財政検証関連資料②-年金額の分布推計-」
加藤 聖人