3. 年金額を増やす方法はある?
年金額を増やす方法はいくつかありますが、今回は以下の3つを解説します。
- 年金の繰下げ受給
- 付加年金の準備
- 60歳以降も厚生年金に加入する
それぞれの方法について確認しましょう。
3.1 年金の繰下げ受給
先ほど紹介した年金の繰下げ受給を活用すれば、将来の年金額を増やせます。
年金の繰下げ受給は、75歳まで可能です。
繰下げ受給した場合を年齢別にみると、以下のとおりになります。
最大で84%の増額率となります。
繰り下げ受給をすれば年金額を増やせますが、年金額を増やしすぎると課税される可能性もあるので、注意してください。
3.2 付加保険料を納める
付加保険料は、自営業者やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者を対象とした、年金の上乗せ制度です。
保険料は、毎月400円になります。
将来的な付加年金の受給額は、以下の計算式で算出します。
- 200円×保険料の納付月数
たとえば、付加年金を40年間支払った場合、将来受け取れる年金額は以下のとおりです。
- 200円×480ヵ月(40年)=9万6000円(年額)
付加年金は生存している間、毎年支払われ続けます。
保険料の総額が19万2000円なので、2年以上生存していれば、付加年金で受け取れる年金のほうが上回ります。
3.3 60歳以降も厚生年金に加入する
年金額を増やすためには、60歳以降も働いて厚生年金に加入するとよいです。
厚生年金保険料を納める期間が長くなれば、将来的に受け取れる厚生年金額も増えます。
定年後も働いて、厚生年金の受給額を増やす方法も検討してください。
4. ねんきん定期便で定期的に年金額をチェックしましょう
厚生年金と国民年金がいくら受け取れるのか、年齢別に確認しました。
いずれも受給年齢が65歳未満だと、受け取れる年金額は少なくなる見通しです。
今回の財政検証では、年金の受給額を今後の経済成長率でシミュレーションした結果も公表されています。
経済成長率が鈍化するケースに備えて、公的年金を増やす備えや対策が必要になるでしょう。
繰下げ受給や付加年金の活用だけでなく、自分で老後資産を運用しながら老後資産を準備してください。
参考資料
- 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金の繰下げ受給」
- 日本年金機構「年金の繰上げ受給」
- 厚生労働省「将来の公的年金の財政見通し(財政検証)」
- 厚生労働省「令和6年財政検証関連資料」
- 日本年金機構「付加保険料の納付」
- 日本年金機構「付加年金」
川辺 拓也