2. 財政検証で明らかになった年金の将来額

厚生労働省は、財政検証をとおして以下の年金受給額を公表しました。

  • 賃金水準別の年金額
  • 経済成長率に応じた年金額

賃金水準別に公的年金がいくら受け取れるか

賃金水準別に公的年金がいくら受け取れるか

出所:厚生労働省「令和6年財政検証関連資料」

財政検証では、将来の経済成長率ごとにみた年金額も公表されました。

将来の経済成長率は、以下の2パターンで試算しています。

  • 成長型経済移行・継続ケース(実質賃金上昇率1.5%)
  • 過去30年投影ケース(実質賃金上昇率0.5%)

成長型では、2024年度時点の年齢ごとの将来の年金額は、以下のとおりになりました。

2024年度時点の年齢ごとの将来の年金額

2024年度時点の年齢ごとの将来の年金額の一覧表

出所:厚生労働省「令和6年財政検証関連資料」をもとに筆者作成

  • 65歳(モデルケース):男性14万9000円・女性9万3000円
  • 50歳:男性15万6000円・女性10万9000円
  • 40歳:男性18万円・女性13万2000円
  • 30歳:男性21万6000円・女性16万4000円

次に、過去30年投影ケースをみると、将来の年金額は以下のとおりです。

過去30年投影ケースでの将来の年金額

過去30年投影ケースでの将来の年金額の一覧表

出所:厚生労働省「令和6年財政検証関連資料」をもとに筆者作成

  • 65歳(モデルケース):男性14万9000円・女性9万3000円
  • 50歳:男性14万1000円・女性9万8000円
  • 40歳:男性14万1000円・女性9万9000円
  • 30歳:男性14万7000円・女性10万7000円

過去30年投影した場合、年金額は今より少なくなる見通しとなりました。

経済成長を前提に試算したモデルケースのため、もし賃金上昇の伸び率が0.5%を下回れば、公表された結果より年金額が少なくなる可能性があります。

そのため、老後に受け取れる年金は少しでも増やしておく必要があります。

では、年金額を増やす方法について確認しましょう。