4. 公的年金以外の老後準備
ねんきん定期便などで年金の見込額を見た方は、「意外に少ない・足りない」と感じるかもしれません。
十分な貯蓄がない場合、働き続けることも選択肢となりますね。
しかし、公的制度の正しい理解が不可欠です。在職老齢年金の制度を知ったうえで基準額を超える作戦もありますが、知らずにカットされると大きな痛手です。
繰下げ受給においても重要な判断基準となるので、難しく感じる場合は年金事務所などでも相談してみましょう。
また、年金だけで不足する場合は、働く以外の選択肢も持っておけると安心です。
例えば貯金について。1万円の貯金も10年では120万円ですが、20年続ければ240万円になります。そこに複利の利息を付けることを考えればさらにその差は大きくなるでしょう。
自分の将来のためにも、少しでも早くに対策を考え始めることが重要です。
5. まとめにかえて
老後の生活に備えて、パートタイムで働くなど、年金だけに頼らずに対策を進めている人は多いと思います。
それでも、年金は老後の生活を支える重要な柱です。基本的な年金制度を理解することに加えて、今回取り上げたような少し複雑な制度についても知っておくことは有益です。
自分の理想の老後生活を実現するために、今から少しずつ準備を始めてみてくださいね。
参考資料
足立 祐一
執筆者
一種外務員資格(証券外務員一種)、生命保険販売資格、損害保険販売資格、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。同志社大学政策学部卒業後、損保ジャパン日本興亜(旧日本興亜損保)へ入社。保険代理店への保険商品案内営業に従事。その後、実際に窓口でお客様へ提案したいとの思いから東京スター銀行のリテール営業へ転身。2011年より現在までファイナンシャルアドバイザーとして個人のお金の悩みを解決してきた。2012年より個人販売の全行員内ランキングでは9年間で10位以内から一度も落ちることなく、2014年2位・2019年3位・2020年1位・2021年2位と安定して好成績をおさめた。現在は個人向け資産運用会社にて、資産運用のサポート業務をおこなう。
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)