3. 平均年収500万円で65歳まで働いた場合の年金受給額
平均年収500万円で65歳まで働いた場合に老後に受け取れる年金は、老齢基礎年金を含む老齢厚生年金です。
以下の条件で老齢厚生年金をいくら受給できるのか、シミュレーションしていきましょう。
- 厚生年金加入期間:42年間(平成15年4月以降のみ)
- 国民年金は480月納付済
- 平均年収500万円
厚生年金への加入期間は、平成15年4月以降の42年間(504月)です。
国民年金は480月を納付済なので、老齢基礎年金は満額受給できます。令和6年度で計算すると81万6000円です。
平均年収は500万円なので、平均標準報酬額は41万6000円です。
計算)500万円×1/12月=41万6000円
これを、上記の計算式に当てはめて計算すると、厚生年金受給額は114万9168円となります。
計算)老齢厚生年金受給額=平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入期間月数
=41万6000円×5.481/1000×504月=114万9168円
老齢基礎年金と老齢厚生年金を合計すると、年額196万5168円で、月額では16万3764円になります。
仮に、専業主婦の妻がいて国民年金を40年納付している場合、81万6000円の老齢基礎年金が受給できるため、夫婦で278万1168円が受給できる計算です。
なお、これはあくまでもシミュレーションであり実際には異なることにご注意ください。
4. まとめにかえて
老齢厚生年金は、現役時代の年収や厚生年金への加入期間などにより受給額が決まるため、一人ひとり異なります。
老齢年金の受給見込額は、ねんきんネットに登録すると確認可能です。現在の条件で60歳まで年金制度に加入した場合の年金額が試算できる「かんたん試算」と、さまざまな条件を設定してできる試算があります。
老後資金を準備するうえで年金がいくら受給できるかの目安を知るのは大切なことです。ねんきんネットに登録し、ご自身の受給額を試算してみましょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「は行 報酬比例部分」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」
木内 菜穂子