政府は、新たな経済対策として、2024年度においても住民税非課税世帯等に10万円を給付することを表明しています。
自治体によっては7月から給付の申請が開始されるようですが、どのような世帯が今回の10万円給付を受け取れるのでしょうか。
本記事では、2024年度新たに実施される「住民税非課税世帯等への給付金」の要件や給付時期などについて詳しく紹介していきます。
申請方法や申請期限についても紹介しているので、あわせて確認しておけると良いでしょう。
1. 住民税非課税世帯とは?年金受給者の年収目安も
今回の10万円給付の対象は、「住民税非課税世帯」もしくは「住民税の均等割のみ課税している世帯」が対象となります。
では、住民税非課税世帯・住民税の均等割のみ課税している世帯とは、どのような世帯を指すのでしょうか。
1.1 住民税非課税世帯
住民税は、「均等割」と「所得割」の2種類で構成されており、それぞれ下記の課税がされています。
【写真3枚】1枚目/住民税の概要、2枚目/住民税が非課税となる収入の目安(徳島市の場合)1/3
- 均等割:非課税限度額を上回る所得がある場合に一定の課税負担がかかるもの
- 所得割:納税義務者の所得金額に応じて一律10%の課税負担がかかるもの
今回の給付金の対象は、この「均等割と所得割」どちらも課税されない世帯、もしくは「均等割のみ」課税している世帯を指します。
住民税非課税世帯の要件は各自治体によって異なりますが、下記内容を「世帯全員」が満たしていることが要件となるケースが多いです。
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万3999円以下)である方
- 前年の合計所得金額が、自治体ごとの基準より少ない方
1.2 住民税が非課税となる年収の目安
住民税非課税世帯の要件のひとつに「前年の合計所得金額」があります。
こちらも自治体によって異なりますが、参考までに徳島市が公表している、「住民税非課税世帯」と「住民税の均等割のみ課税している世帯」の収入目安は下記のとおりです。
年金収入の場合
【高齢単身】
- 住民税非課税:~151万5000円程度
- 住民税均等割のみ課税:~160万円程度
【高齢夫婦】
- 住民税非課税:~201万9000円程度
- 住民税均等割のみ課税:~220万円程度
「単身世帯か夫婦世帯か」「扶養親族の有無」「給与収入か年金収入か」などによって、収入水準が変わってくるため、参考にすると良いでしょう。
なお、前述したとおり、上記はあくまで徳島市の収入水準であり自治体によって水準が異なるケースもあります。
より詳細な情報が知りたい場合は、ご自身のお住まいの自治体ホームページから要件を確認してみることをおすすめします。
1.3 65歳以上の38%が住民税非課税世帯って本当?
昨年度から、低所得者世帯に対して給付金支援が実施されるようになり「住民税非課税世帯」という言葉をよく耳にするようになりました。
実は、この「住民税非課税世帯」の多くが高齢者であることをご存知でしょうか。
厚生労働省の「令和5年 国民生活基礎調査」によると、65歳以上の約38.1%が住民税非課税世帯となりました。
【住民税非課税世帯の割合(小数点第二以下切り捨て)】
- 29歳以下:32.7%
- 30~39歳:11.9%
- 40~49歳:10%
- 50~59歳:13.5%
- 60~69歳:21.6%
- 70~79歳:35.8%
- 80歳以上:52.5%
- 65歳以上:38.1%
- 75歳以上:49%
75歳以上まで幅を広げると、49%の世帯が住民税非課税世帯であり、多くの年金受給者が住民税非課税世帯であることがわかります。
住民税非課税世帯の多くが、老後生活を送る高齢者が中心となっていることから、年金受給をしている方は、今一度2024年度から新たに実施される10万円給付の対象ではないか確認しておくことが大切です。
次章にて、7月から実施される住民税非課税世帯等への10万円給付の対象要件について、より詳しく見ていきましょう。
2. 7月から住民税非課税世帯等へ10万円給付が開始
2024年度から新たに始まる10万円給付の対象世帯は、2024年6月3日時点で「住民税非課税世帯」もしくは「住民税均等割のみ課税者である世帯」です。
なお、2023年度に実施された7万円または10万円の給付金を受け取った世帯は、今回の10万円給付の対象外となるため注意が必要です。
これは、2023年度に実施された給付金を「未申請・受給辞退された世帯」も対象外世帯に含まれており、2023年度の給付対象世帯であったにもかかわらず、未申請もしくは受給を辞退した場合は、今回の10万円給付を受け取れません。
「前回の給付金は申請を忘れていた・辞退したから今回は申請しよう」と思っていても、このようなケースは対象外となるため、前回の給付対象に該当していないか確認しておきましょう。
2.1 申請方法・申請期限
2024年度の10万円給付の開始時期は自治体によって異なりますが、多くの自治体では7月頃から給付に必要な申請書類が送付され始めます。
給付に関する書類は、以下3パターンが存在します。
- 支給のお知らせ
- 確認書
- 申請書
「支給のお知らせ」が届いた世帯は、原則申請は不要で、支給時期になると公金受取口座に10万円が振り込まれます。
「確認書」「申請書」が届いた世帯は、申請書類の返送が必要になるため、申請書に必要事項を記入し、返送時に必要な書類を準備したうえで申請を行いましょう。
申請期限も自治体によって異なりますが、多くの自治体では9月末・10月末を期限にしているところが多いです。
書類が届いたら、申請時期をしっかりと確認し、余裕をもって申請手続きを行うようにしましょう。
2.2 支給時期
支給時期も自治体によって異なりますが、早いところでは7月下旬頃から支給を始める自治体もあります。
なお、申請方法(支給のお知らせ・確認書・申請書)によっても、支給までにかかる時間が異なっており、「支給のお知らせ」が届いた場合は申請が不要なため支給までにあまり時間を要しません。
一方で確認書・申請書の場合は、支給までに数週間から数ヶ月の時間を要するため留意しておけると良いです。
「なるべく早く支給してほしい」という場合は、自治体によって申請をオンライン上で行う「ファストパス申請」を行っているケースもあるため、実施している場合はこちらを活用できると良いです。
ファストパス申請が可能な場合、自治体からの書類にQRコードが印刷されているため、QRコードをスマートフォンで読み取り、申請を行えば手続きが完了します。
ファストパス申請を利用すれば、郵送よりも給付金を早く受け取れるようになるため、給付時期を早めたい方は検討をおすすめします。
3. 7月から書類送付される自治体多数!早めに申請を行おう
本記事では、2024年度新たに実施される「住民税非課税世帯等への給付金」の要件や給付時期などについて詳しく紹介していきました。
今回の10万円給付の対象世帯になる場合は、自治体から申請書類が送付されますが、自治体への転入時期や住民税の申告状況によっては、手続き書類が送られてこないケースもあります。
「給付金の書類が送られてこない=自分は対象ではない」と思わずに、本記事の支給要件を参考に、該当すると感じたら必ず、お住まいの自治体ホームページで要件を確認しましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和5年 国民生活基礎調査」
- 財務省「住民税について教えてください。所得税とはどう違うのですか?そもそも国税と地方税の違いはなんですか?」
- 大阪市「個人市・府民税が課税されない方」
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
- 徳島市「低所得者支援給付金について」
- 神戸市「新たに住民税非課税もしくは均等割のみ課税となる世帯への10万円の給付」
- 杉並区「令和6年度住民税非課税世帯等給付金(令和6年度新たに住民税非課税世帯等となる世帯への給付)」
- 内閣官房「デジタルの積極的活用による簡素・迅速な給付」
和田 直子