中古住宅を購入して失敗した人の話を耳にすることは、決して少なくないと思います。
WEBメディアの運営・コンサルティングを行なっている株式会社アールピーネットが2021年に全国の中古住宅購入経験者116人を対象に行った「中古住宅を買って失敗したこと」に関するアンケート調査によると、失敗したことの上位3つは次のようになっています。
- 1位:予想以上に費用がかかる 30人
- 2位:汚れ・キズ・劣化が気になる 24人
- 3位:設備の不具合 14人
いずれも「購入前に細かくチェックしておくべきだった」と後悔している方が多いようです。
実際に中古住宅購入前の内見時にしっかりと確認しておけば、大抵のことは防げたように思われます。
しかし中には「どこをどんなふうにチェックすれば良いのかがわからない」という方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、中古住宅を購入する際の内見時にチェックしておくべきポイントや土地の注意点などを紹介します。
ぜひ中古住宅購入時の参考にしてください。
1. 中古住宅購入前の内見時にチェックしておくべきポイント
中古住宅は新築と比較して安い価格で購入できる物件が多いのがメリットですが、「何らかの不具合があるのではないか」と不安に思う方が多いと思います。
もちろん新築住宅の場合でも不具合がないとは限りませんが、新築してから何年も経過した中古住宅の場合には経年劣化が避けられません。
そして経年劣化の程度は同じ築年数の建物であってもメンテナンス状況によって大きく異なり、中古でも手入れが行き届いていれば新築よりも資産価値が高い物件も存在しています。
したがって中古住宅を購入する際には、内見時のチェックが非常に重要になります。
次章からは具体的なチェックポイントを紹介します。
2. 中古住宅購入時のチェックポイント①外観
外観の主なチェックポイントは次のようになります。
2.1 外壁、基礎
外壁に傷みや塗膜の剥がれ、大きなひび割れがないか、基礎に幅が0.3mm以上のひび割れがないかなどをチェックします。
外壁のひび割れは雨漏りの原因になる可能性があり、基礎のひび割れは建物が不同沈下を起こしている可能性があります。
2.2 屋根、軒下、雨樋
屋根に屋根材のズレや破損などがないか、軒下に塗膜の剥がれや水染み跡などがないか、その他では雨樋の破損がないかなどをチェックします。
これらに不具合があると雨漏りを引き起こして、建物内に侵入した水分がシロアリ被害などの重大な損傷の原因になることがあります。
建物の周囲から目視で確認できる範囲で良いので、必ずチェックしておく必要があります。
3. 中古住宅購入時のチェックポイント②室内
室内では間取りや収納の形状・大きさ、日当たり、風通し、騒音、眺望、臭いや汚れなどをチェックします。
これらのことは図面を見るだけではわからないので、必ず現地で確認する必要があります。
特に室内でカビ臭さを感じる場合には、湿気で建物が傷んでいたり、雨漏りが発生していたりすることがあるので要注意です。
またスマホアプリの方位磁石などを使って、部屋の向きを確認しておくと良いでしょう。
その他の建物のチェックポイントを次章に続けます。
3.1 床や柱の歪みや傾き
床や柱の傾きを確認するためには水平器を持参してチェックするほかに、スリッパを履かずに室内を歩行してみると床の不陸(水平でないこと)を感じることがあります。
3.2 建具の建付け
室内の建具やドア、サッシなどを開閉して複数箇所で開閉しにくいと感じる場合には、不同沈下で建物が傾いている可能性があるので要注意です。
3.3 水回りの漏水の有無、排水の状況
事前に売主に伝えて可能であれば、実際に水を流して漏水の有無やスムーズに排水が流れるかどうかをチェックします。
またキッチンや洗面キャビネットの下などをチェックして、漏水によるシミや傷みなどがないかどうかを確認しておくと良いでしょう。
3.4 照明器具の点灯
照明器具の点灯を確認しておくことも忘れないようにしましょう。
3.5 床下や小屋裏の状況
床下点検口や天井点検口がある場合には、点検口から覗いて床下や天井裏の様子を確認しておくことをお奨めします。
床下では漏水による腐食やシロアリ被害、湿気の有無など、天井裏では雨漏りによるシミ跡や構造材の破損などの重大な不具合を発見できることがあります。
また点検口がない場合には、床下や天井裏の点検やメンテナンスがほとんど行われていないことが推測できます。
4. これだけは避けたい!注意したい土地とは
住宅を購入する際には単に建物自体だけでなく、建物が建つ土地についても注意が必要になります。
立地や周辺環境についてはもちろんのこと、災害リスクの高い土地は絶対に避けなければなりません。
一般的には台地は水捌けがよく、地震や洪水などの自然災害のリスクが低いといわれていますが、台地周辺部の崖下などでは大雨の際にがけ崩れを起こしやすい土地といえます。
また比較的新しい造成地では土留めや排水工事に不備があると地盤沈下を起こす恐れがあり、埋め立て地では地震発生時に液状化現象が発生する可能性があります。
したがってこれらの土地はできるだけ購入を避けたいものですが、実際には宅地として利用されていることが多く、人口密集地域であることが少なくありません。
そのため中古住宅を購入する際には国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」などを利用して、災害リスクがどの程度あるのかを確認しておくようにしましょう。
5. まとめ
中古住宅には何らかの不具合が生じていることがほとんどです。
100%完璧なものは存在しないといって良いでしょう。
2018年(平成30年)に国土交通省住宅局が実施した住生活総合調査結果によると、持ち家の住宅に対する不満率は「非常に不満」と「多少不満」とを合わせて18.8%になっています。
購入して後悔しないためにも、内見が非常に重要になります。
特に雨漏りや水漏れ、シロアリ被害、不同沈下といった重大な不具合を見逃してしまうと売主とのトラブルが発生すると共に、高額な補修費用がかかってしまいます。
したがって中古住宅の下見をする際にはただ漠然と物件を眺めるだけでなく、ここで紹介した最低限の項目についてはしっかりと確認することが大切です。
またセルフチェックだけでは不安な場合には、専門家にホームインスペクション(住宅診断)を依頼することをお奨めします。


