株式投資で成功しているプロ投資家や個人投資家に共通してみられる習慣があります。個人投資家の中には「投資をはじめて数年たつが、自分はまだ初心者だ」、「投資経験は長いのだけど、上級者かどうかは分からない」という方も多いでしょう。そうした方も株式投資の上級者になるべく彼らの成功パターンを試してはいかがでしょうか。今回はそのうち5つのノウハウをまとめてみました。

【第1の習慣】証券アナリストレポートはレーティング変更だけ読む

運用経験の長いファンドマネージャーには「株は変化だ!」と口にする人がいます。業績をはじめ、経営者やマネジメントに変化がなければ、株価は動く可能性はより少なくなるからです。投資経験の長い投資家のツボを押さえたコメントといえます。

また、短期のノイズに惑わされないようにするため、経験豊富な投資家は、情報をいかに取捨選択するのかを心得ています。情報をいかに捨てるかに時間を割いています。

もっとも、会社が変わるような変化はそう頻繁に起こるものではありません。したがって、証券アナリストのこれまでの見方、特に投資判断が大きく変わることはそう頻繁にはありません。度々業績見通しや会社そのものへの評価が変わるようですと、アナリストの過去の分析や予想そのものの質を問われかねません。

証券アナリストのレポートでよくあるのが、「前回と会社への見方変わらず。投資判断に変更なし」というようなレポートです。こうしたレポートは、実はそれほど真剣に目を通す必要がありません。英語でも、“Incrementally neutral(インクリメンタリー ニュートラル)”といって、現在の株価に対して中立の内容だとして、影響ないものとして扱われます。株式投資の上級者はこうした情報は調査活動を効率化するために無視します。

【第2の習慣】業績予想の市場コンセンサスをチェックしている

“市場コンセンサス”という言葉をご存知でしょうか。

一言でいえば、株式市場の証券アナリストが予想する業績予想値の平均値です。ここでいう証券アナリストというのは証券会社に所属するアナリストです。

そのコンセンサスですが、あくまでも平均値であって、各アナリストの業績予想の精度などは全くもって無視されているので、意味があるかどうかという議論はあります。

一方で株式市場の参加者である機関投資家は必ずコンセンサスを確認しています。したがって、株式投資という資産運用のゲームに参加する個人投資家も余裕があれば見ておけばよいかと思います。

機関投資家はブルームバーグ端末からコンセンサスの数値にアクセスすることができるます。では、個人投資家はどのようにしてコンセンサスを確認すればよいでしょうか。

インターネットが普及して非常に便利になりました。個人投資家も市場コンセンサスを無料で確認することができます。大手ネット証券ではIFISコンセンサスを確認することができます。ネット証券に口座を開設すればだれでも自由に使えます。

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発展編:コンセンサスの使い方

決算内容がコンセンサスを上回れば株価は上昇しますし、下回れば株価は下落します。短期トレーディングをする投資家はこのコンセンサスと実績値を意識しています。もっとも、長期の投資家で狙っている銘柄の株価が大きく下落するならばチャンスといえますが、チャンスを探るためにもコンセンサスの使い方を知っておくとよいでしょう。

【第3の習慣】大口株主の「5%ルール」を知っている

5%ルールというのをご存知でしょうか。

上場企業の発行済株式総数の5%以上を保有する状況になった場合に、大量保有報告書を財務局に報告する必要があります。

また、その株主が売買を行うことで、発行済み株式総数に対して1%以上の移動がある場合には、変更報告書を財務局に提出する必要があります。

発展編:5%ルールの使い方

例えば時価総額が500億円の銘柄を考えてみましょう。その5%はどうでしょうか。金額にして25億円です。運用資産の規模にもよりますが、機関投資家で頻繁に売買を繰り返す投資家にとっては1銘柄で25億円というのはそれほどびっくりする大きな数字でもありません。

では、機関投資家が買い付けていきなり5%を保有したという情報が公開されたらどうでしょう。その銘柄は機関投資家が投資をするに値する理由があると一度は考えてみる価値はあります。

機関投資家は、社内の証券アナリストや証券会社に在籍する証券アナリストのリサーチを活用して情報を集めています。そうしたプロ投資家と呼ばれる人たちには個人投資家ではアクセスができない情報を持っていることもあります。5%ルールで浮上してきた銘柄は個人投資家は調査対象としてリストに入れておけばよいでしょう。個人投資家にとっては無料で使える銘柄スクリーニングといえるわけです。

また、機関投資家が買い増しをし、1%ごとの変更報告書を提出するとすればどうでしょうか。さらに短期的な買いが続くことも予想され、トレーディングのアイデアの一つにはなります。

一方、5%ルール活用法の最大のポイントは売りの場合です。仮に、大口株主がある銘柄の発行済み株式総数の7%を保有していたとしましょう。その株主がその銘柄を売却するとしたとしましょう。

5%ルールに従い、1%ごとに報告しなければなりませんから、一度は6%を切った時点で報告します。ここで個人投資家は大口の株主が売却をしていることを知ります。この時点で個人投資家にとっては考えるポイントとなります。その投資家がその後も売却を続けるのか、それとも単なるポジションの調整に過ぎないのかなどです。仮に売却を継続するのであれば、先回りして売却することもできますし、ショートすることもできるわけです。

【第4の習慣】社長や役員などのトップマネジメントのメッセージには目を通す

機関投資家や証券会社の著名なアナリストは経営者に直接面談することができます。しかし、一般の個人投資家にとっては、そうした機会を得ることはまれでしょう。

では、個人投資家はトップマネジメントから発信される情報を収集ことはできないのでしょうか。

必ずしもそうとは言えません。個人投資家が最もアクセスしやすいのは、東洋経済、ダイヤモンド、日経ビジネスといった経済週刊誌をはじめ、アニュアルレポートや株主通信といった公開情報です。

また、アナリストが経営者に会えばいつもとっておきの情報を得ることができるとは限りません。それはフェア・ディスクロージャー・ルール(FDルール)があるからです。

すべてのアナリストが必ずしも上手な聞き手とは限りません。下手なインタビューでは意味のある情報が取れないことも多々あります。そうした意味でも、メディアでのインタビューや上場企業(発行体)からの公開情報にも意味はあります。

コラム:アニュアルレポートの位置づけ

アニュアルレポートは上場企業のIRスタッフ等が執筆し、トップがそれを確認するケースもありますが、中にはトップマネジメントが直接メッセージを発信していることもあります。そうした公開情報は大事にしたいものです。

海外の著名な投資家はウォーレン・バフェットも含めてアニュアルレポートのトップマネジメントのメッセージを非常に大事にします。

過去のバックナンバーを書斎に置き、都度確認しているようなファンドマネージャーも多いです。特にバフェットの場合には、自らが保険会社バークシャー・ハサウェイの経営者であり、自分自身がメッセージを発信していることもあり、その思いが強いのだと思います。

株式投資の上級者にはアニュアルレポートをじっくり読み込み、経営者の思考プロセスやビジョン、結果の確認を行っています。アニュアルレポートを読まない投資家は、“投資家”ではなく“投機家”かもしれませんね。

【第5の習慣】決算説明会資料は時間をかけて丹念に読み込む

上場企業(発行体)からの公開資料と一口に言っても、「決算短信」、「有価証券報告書」、「アニュアルレポート(アニュレポ)」など様々です。

その中でも、株式投資家の上級者に愛されるのが、「決算説明会資料」です。

先ほど挙げた開示資料の中では、決算の内容などに関して詳しい情報が掲載されていることも多く、追加で分析する材料に富んでいます。ただし、株式投資を始めたばかりや初心者の方にはとっつきにくい内容であるのも事実です。

まとめにかえて

株式投資で上記のようなことを繰り返し、経験を積んでいきます。そして初心者から上級者にへとステージを上げていきます。一つ一つはそれほど難しくないので、できるところから始めてみるのはいかがでしょうか。初心者から中級者、上級者へと変わっていくためには、こうしたことを四半期ごと、通期決算ごとに繰り返していくことが必要です。

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参考プレスリリース

  • 楽天証券「楽天証券、NISA・iDeCo 2021年新規口座開設が業界最多に!」2022年3月30日

制作:株式会社モニクルリサーチ

Longine編集部