2. 70歳代の平均貯蓄額

では次に、70歳代の平均貯蓄額と中央値を確認していきましょう。

なお、中央値とはデータの値を小さい順に並べた際に、ちょうど真ん中に来る値のことです。

平均値は、極端に小さい、または大きい値の影響を受けやすく、実際の平均からかけ離れた結果が出ることがあります。そのため、平均を知る際には中央値の方が適しているとされています。

平均貯蓄額と中央値は単身世帯と二人以上世帯とで異なるため、分けて確認していきます。

2.1 単身世帯の貯蓄額

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、70歳代の単身世帯の平均貯蓄額は1529万円で、中央値は500万円です。

平均貯蓄額と中央値に大きな差がありますが、貯蓄額の高額な世帯が平均額を引き上げていると考えられるため、実際に近い平均額は中央値の500万円と考えられます。

70歳代単身世帯の貯蓄額ごとの世帯割合は以下の通りです。

《一覧表》70歳代:貯蓄額ごとの世帯割合(単身世帯)

《一覧表》70歳代:貯蓄額ごとの世帯割合(単身世帯)

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」をもとに筆者作成

上図のとおり、最も多いのは「貯蓄なし」で26.7%を占めており、約4世帯に1世帯は貯蓄がないことになります。

一方で、2番目に多いのが「3000万円以上」の世帯で17.3%となっており、貯蓄のない世帯と高額な貯蓄のある世帯の二極化が見られます。