4. 年金だけで生活できる高齢者は減少
2024年7月5日、厚生労働省は「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」を公表しました。
これによると、年金だけで生活できる高齢者世帯は41.7%のみとなっています。
前回調査における年金だけで生活できる高齢者世帯の割合は44.0%でしたので、2.3ポイントの減少となりました。
若い方ほど、「将来は年金だけで生活しよう」と考えている人は少ないのではないでしょうか。
公的年金制度が破綻することはないとしても、受給額が減ることは十分に考えられます。それぞれの老後対策が必要になるでしょう。
5. 老後生活に向けた対策方法
ここまで、60歳~89歳の年金平均月額についてまとめてきました。
厚生年金の金額は「年代による個人差が大きい」と感じた方も多いでしょう。今後の年金受給額についても、よりその差は大きくなっていくかもしれません。
以上を踏まえて重要なことは、ご自身の現状を知った上で対策を考えていくことです。
主な方法としては、以下の2点が挙げられます。
一点目は、地道に貯金していくことです。元本割れなどのリスクがなく堅実にお金を増やしていくことができますね。
2点目は投資を取り入れる方法です。
普通預金と比べ、元金以上にお金が増える可能性が高いため、低金利時代の今「お金を増やすにはやっぱり投資」と思われるなら、安定型から利益追求型まで様々な商品があるので、一度確認することをおすすめします。
6. まとめにかえて
年金は加入期間や現役時代の年収によって個人差が大きいものです。
まずは機会にねんきんネットやねんきん定期便などを確認し、今後のライフプランについて考えてみましょう。
年金だけに頼らず、それぞれに合う方法で老後対策を進める必要があります。
参考資料
執筆者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
大阪府茨木市出身。関西学院大学商学部卒業後、住友生命に入社し生命保険販売業務に携わる。若年層から高齢層までの幅広い世代へ向けた保険の総合的なプランニングを得意とする。また法人に対しても事業承継や退職金、福利厚生等のリスクに備える商品も提供。表彰歴多数。
現在は個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。(2024年12月3日更新)
監修者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)