岸田総理は2024年6月21日の記者会見において、年金(生活)世帯や低所得者世帯に追加の給付金を支給することを明言しました。秋に策定することを目指すということで、注目が集まります。一方で、2024年度の公的年金の支給額は23年度に比べて2.7%の引き上げとなりました。
物価や賃金の伸びを反映し、2年連続の増額となった年金ですが、加えて今年度は令和6年度税制改正に伴い、定額減税も実施されています。
物価高騰で家計のやりくりが大変な毎日のなか、定額減税によって一時的にでも手取りが増えることで、経済的な負担が軽減されることが期待されています。
年金生活者への給付金も秋ごろに向けて検討が始まったとされる中、年金生活者のリアルな年金の平均月額や、100%年金だけで生活しているシニアの割合などが気になる方が多いでしょう。
2024年度の年金額改定と定額減税についても詳しく解説するので、あわせて参考にしてください。
1. 次回の年金支給は8月15日!今年は2.7%の増額改定
2024年度の年金額の改定について、まずは厚生労働省が公表した資料から確認していきましょう。
- 国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分)
- 厚生年金:23万483円(標準的な夫婦2人分)
国民年金・厚生年金どちらも年金額が上がっていますが、全ての人が上記の金額通りに受け取れるわけではありません。
例えば国民年金の金額例は、「満額受給を想定した1人分」の年金額なので、国民年金保険料の未納期間があった場合はもっと少なくなるでしょう。
また厚生年金の金額は「標準的な夫婦2人分」の年金額となっています。
「標準的な夫婦」の概念が気になりますが、厚生労働省は「平均的な収入(平均標準報酬43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める老齢厚生年金と2人分の国民年金年金(満額)の給付水準」と説明しています。
次章にて、実際に支給された「国民年金・厚生年金」それぞれの平均月額や「年金だけで生活している世帯の割合」を見ていきましょう。