3. 実際に支給された「国民年金・厚生年金」平均はいくら?

厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年度末時点での国民年金と厚生年金の平均月額は以下のとおりでした。

3.1 国民年金の平均月額

  • 全体:5万6316円
  • 男性:5万8798円
  • 女性:5万4426円

3.2 厚生年金の平均月額

  • 全体:14万3973円
  • 男性:16万3875円
  • 女性:10万4878円

冒頭のモデル年金の水準には達していない世帯もいることがうかがえます。

続いて年金だけで生活している世帯の割合も確認しましょう。

3.3 年金だけで生活している世帯の割合

厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している人は全体の44%であることがわかりました。

  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:44.0%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:16.5%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.5%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:8.5%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:3.6%

半数以上の高齢者は、年金だけでは生活できていない現状にあります。老後も働き続ける人や、貯蓄を切り崩している人が多いとうかがえます。

子世帯からの仕送りを受けている世帯もいるでしょう。物価高においてはさらに厳しい現状にあると考えられます。

次章にて、年金における定額減税の概要や仕組みについて確認していきましょう。