3. 【島根県隠岐郡海士町】教育と少子化問題が融合した離島留学

島根県の海士町では、離島留学の先駆けの自治体として知られている。

少子化対策に成功している町

出所:島根県海士町「ないものはない~離島からの挑戦~最後尾から最先端へ~」(PDF)

子どもの人口が増える自治体は都心からのアクセスが良く、子育て支援が充実しているだけの話で、過疎が進行している地域には無縁というイメージが強いです。

都市部からの移住を推進する動きはありますが、すぐに結果が出るのは難しいものがあります。そうしたなか、国土交通省を主体とした全国から離島の学校に通いたい子を募集する「離島留学」も行われています。

島根県の海士町では少子化により廃校も時間の問題となった島根県立隠岐島前高等学校で募集対象の生徒を全国に拡大し、離島留学の先駆けの自治体として知られています。

住民の高齢化が進む地域で県内外からやってくる生徒との交流をし、地域活性化や離島への移住または就職という形で子どもの人口が増えていくことにもつながります。また、自然が身近な地域で生活することで子どもは都市部では経験できない教育を受けることができます。

2020年12月からは海士町を含む隠岐島前地域(西ノ島町・海士町・知夫村)で20歳から35歳を対象とした「大人の島留学」もスタートし、若い世代の人口を増やす取り組みも始まり、地域を上げて人口流出や少子化対策を行っています。

海士町の人口構成を2023年と2010年で比べると49歳未満の人口が増加しており、昨今の少子高齢化を乗り越えていることが分かります。