先週6月14日、2024年度分の年金が初めて支給されました。年金受給額は2024年度から2.7%引き上げられています。
これにより厚生年金・国民年金ともに受給額が増え、安心されたシニアの方もいるでしょう。
一方、物価高の現状が続けば「結局老後資金は不足してしまうのではないか」という声もあがっています。
厚生労働省の資料によると、厚生年金の平均受給月額は14万円、国民年金の平均受給月額は5万円台でした。
ただし、これはあくまでも平均値。そこで今回は、年金額における差について注目してみましょう。
今回は、政府により試算・公表された「モデル年金」をチェックするとともに、厚生年金・国民年金それぞれの「年齢別の年金額」「都道府県別の年金額」をご紹介します。
なお、記事内の厚生年金はすべて国民年金を含みます。
1. 【最新】政府が提示した単身・夫婦世帯の「年金モデル」23パターン
2024年5月13日、厚生労働省「第15回社会保障審議会年金部会」にて年金モデルが公表されました。
単身世帯・夫婦世帯の年金モデルを、それぞれ確認していきましょう。
1.1 「単身世帯」年金モデル(現役期の報酬・加入状況別)
単身世帯の場合、以下の年金額として現役時代の報酬ごとに試算されています。
- 報酬54万9000円(※男性の平均的収入を1.25倍):合計年金額 18万6104円
- 報酬43万9000円(※男性の平均的収入):合計年金額 16万2483円
- 報酬32万9000円(※男性の平均的収入を0.75倍):合計年金額 13万8862円
- 報酬37万4000円(※女性の平均的収入を1.25倍):合計年金額 14万8617円
- 報酬30万000円(※女性の平均的収入):合計年金額 13万2494円
- 報酬22万5000円(※女性の平均的収入を0.75倍):合計年金額 11万6370円
- 報酬14万2000円(※短時間労働者(男女計)の平均的収入):合計年金額 9万8484円
- 報酬国民年金のみ加入:年金額 6万8000円
1.2 「夫婦世帯」年金モデル(現役期の報酬・加入状況別)
夫婦世帯は、下記の通り「夫婦共働き」「片働き」に分けて試算されています。
夫婦共働き
- 男性の平均的収入を1.25倍+女性の平均的収入を1.25倍:33万4721円
- 男性の平均的収入+女性の平均的収入:29万4977円
- 男性の平均的収入を0.75倍+女性の平均的収入を0.75倍:25万5232円
- 男性の平均的収入を1.25倍+短時間労働者の平均的収入:28万4588円
- 男性の平均的収入+短時間労働者の平均的収入:26万967円
- 男性の平均的収入を0.75倍+短時間労働者の平均的収入:23万7346円
- 女性の平均的収入を1.25倍+短時間労働者の平均的収入:24万7101円
- 女性の平均的収入+短時間労働者の平均的収入:23万978円
- 女性の平均的収入を0.75倍+短時間労働者の平均的収入:21万4854円
片働き
- 男性の平均的収入を1.25倍+国民年金のみ加入:25万4104円
- 男性の平均的収入+国民年金のみ加入:23万483円
- 男性の平均的収入を0.75倍+国民年金のみ加入:20万6862円
- 女性の平均的収入を1.25倍+国民年金のみ加入:21万6617円
- 女性の平均的収入+国民年金のみ加入:20万494円
- 女性の平均的収入を0.75倍+国民年金のみ加入:18万4370円
次の章からは、厚生年金・国民年金それぞれの年金受給額を年齢別にチェックしていきましょう。