2019年に発表された「老後2000万円問題」もキッカケとなり、老後のお金事情に注目が集まっています。
6月には年金支給もありましたが、現職時代と比べて収入が減ったと感じる方が多いのではないでしょうか。
実際に、年金の平均受給月額は全体で14万3973円です。
更に、日本の年金は仕組み上、受け取り金額に差が出るため14万より少ないケースが想定されます。
そこで今回は、10万円以上受け取っている方がどの程度の割合なのかを確認し、日本の年金制度について考察していきます。
1. 公的年金制度のしくみ
日本の公的年金は、上記のように国民年金と厚生年金の2階建てになっています。
1.1 国民年金(1階部分)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律
- 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(2階部分)
- 公務員やサラリーマンなどが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる
国民年金の保険料は毎年度改定されますが、一律の保険料となっています。
一方で厚生年金は加入期間や現役時代の保険料納付額に応じて年金額が決まるため、受給額に個人差が出やすいのが特徴です。
以下で厚生年金の平均月額もみておきましょう。
1.3 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金全体の平均月額は14万3973円です。
男性が約16万円であるのに対し、女性では受給額が約10万円となっています。
仮に年金を毎月の生活費に充てようと考えていた場合、月額10万円台では生活できないという方もいるのではないでしょうか。
こういった年金が「10万円台」の方はどれほどいるのでしょうか。
次章では、厚生年金を「月額10万円以上」受給する人は何パーセントいるのかみていきましょう。