少子高齢化も加速しており、年金だけで十分な生活を送れるのか不安に思っている方もいることでしょう。
2024年度の年金額は2.7%の増額改定となりましたが、物価上昇に追いつかず、実質的には目減りしているとの声もみられます。
年金だけで不足するとなれば、頼りになるのは現役時代からの貯蓄です。
本記事では70歳代・二人以上世帯の貯蓄額を見ていきます。
2019年に金融庁が発表した「老後2000万円問題」が話題となってからもう5年を迎えようとしていますが、昨今の物価上昇や増税により今では老後に4000万円が必要ともいわれています。
このような背景から、最近の日本では新NISAやiDeCoなどを活用して資産運用を考えている方も増えてきています。
記事の最後には、資産運用のポイントもお伝えするのでぜひ最後までご覧ください。
1. 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄2000万円~3000万円未満は何パーセント?
70歳代・二人以上世帯で「貯蓄2000万円~3000万円未満」を達成している人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄2000万円~3000万円未満の割合
- 7.4%
1.2 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄2000万円以上の割合
- 27.1%
1.3 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
70歳代の二人以上世帯で貯蓄が2000万円~3000万円未満の割合は7.4%でした。
貯蓄が2000万円以上の世帯は27.1%にとどまり、3割未満です。
平均貯蓄額は1757万円、中央値は700万円であり、平均値は一部の富裕層によって引き上げられています。
このため、中央値を参考にする方が実態に即しているといえます。
なお貯蓄ゼロの世帯も約2割存在しており、シニアの貯蓄事情には貯蓄を貯められている世帯と、そうでない世帯で二極化が進んでいることがわかります。
また、70歳代世帯の多くは貯蓄額が平均よりも少なく、年金だけでは生活費が不足し、貯蓄を取り崩して生活している世帯もいると考えられます。
なお、本データは金融資産を保有していない世帯を含んでいますが、金融資産保有世帯のみで絞るとどうでしょうか。
次章では70歳代・二人以上世帯の「貯蓄保有世帯のみ」の平均と中央値を見ていきます。