人生100年時代。平均寿命が伸びている今、何年続くか分からないセカンドライフにおいて「資産寿命」を考慮しながら、どのようにお金を使っていくかを考えることは大切です。

理想のライフスタイルは人によって異なりますが、現役時代の早いうちからある程度イメージすることや年金制度について知っておくことは無駄ではありません。

本記事では現在のシニア世代、70歳代夫婦世帯のお財布事情を確認し、老後生活を送る上での貴重な収入源となる「厚生年金・国民年金」の平均受給額もあわせて眺めていきます。

1. 年金だけで生活できる高齢者世帯は44%

いまいち「老後」をイメージできないという人も少なくないでしょう。

そもそも、老後を厚生年金や国民年金といった年金収入だけで生活できる世帯がどれくらいかを確認してみます。

厚生労働省が公表した「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、老後、年金収入だけで生活している高齢者世帯は全体の44%でした。

高齢者世帯の総所得に占める公的年金の割合

高齢者世帯の総所得に占める公的年金の割合

出所:厚生労働省 2022(令和4)年「国民生活基礎調査の概況」

高齢者世帯の半数以上が、不足分を私的年金や貯蓄の取り崩し、労働収入などによって補填していると考えられます。