3. 厚生年金に個人差が多い理由

厚生年金の平均額(全年齢)

厚生年金の平均額(全年齢)

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

厚生年金において個人差が多いのは、受給額の決定方法に理由があります。

全体平均月額は14万3973円ですが、男性で16万3875円・女性で10万4878円と男女差が生まれるのも、個人差の延長線といえます。

受給額の決まり方を見ていきましょう。

3.1 厚生年金の受給額の決まり方

厚生年金の報酬比例部分は以下の合計額で決まります。

  • 2003年3月以前の加入期間:平均標準報酬月額×(7.125/1000)×2003年3月以前の加入月数
  • 2003年4月以降の加入期間:平均標準報酬額×(5.481/1000)×2003年4月以降の加入月数

こちらに国民年金や加給年金が加算され、老齢年金額となります。

現役時代の収入を基として計算されるため、個人差が大きいのですね。今のシニアでは女性の賃金が低く、加入期間も極端に短くなっていたことから、男女差も大きくなったと考えられます。

参考までに、月額30万円の年金を目指そうと思うと、40年間の平均年収を約1284万円以上キープしなければなりません。

ある程度の年齢に達すれば年収1200万円超えは現実的かもしれませんが、新卒からキープし続けるのはほぼ不可能です。これからの時代において、年金30万円以上を目指すのは難しいと言えるでしょう。