2018年5月18日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より91円99銭高の22,930円36銭となりました。2月以来、約3か月半ぶりの高値です。取引時間中には一時、22,954円を付け、23,000円に迫りました。
米長期金利上昇にともなう円安の影響で日経平均も上昇
こうした背景には、円安傾向が続いていることが挙げられます。米国の長期金利が上昇しています。17日には、米長期金利の指標とされる10年物国債利回りが上昇しました。2011年7月以来の高水準です。このため、日米の金利差に着目したドル買い・円売りが進んでいます。17日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4日続落し、1ドル=110円70~80銭となりました。18日には一時、111円台円前半と約4か月ぶりの円安となりました。
一般的に金利が上昇すると株式相場にとっては重荷になりがちです。特に、米ダウ工業株30種平均の主力株は海外売上高比率の高い企業が少なくないため、警戒感もあります。一方で、業績好調な値がさ株は買われており、全体的にはダウ平均は堅調に推移しています。18日も小幅ながら上昇しました。
今週からの動きはどうなるでしょうか。為替相場の動きには注意したいところです。円安傾向が続いていますが、米長期金利に合わせて神経質に上下しています。
米中の貿易摩擦問題では17日に再びの交渉が始まったものの先行きは不透明です。このほか、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉が合意できないまま期限切れとなってしまったことも、懸念材料になりそうです。北朝鮮を巡る地政学リスクについても、6月に行われる予定の米朝首脳会談について、北朝鮮が会談の取りやめを示唆するなど、駆け引きが続いています。
来週には、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録公開、連邦準備制度理事会(FRB)幹部の講演や討論会なども行われます。いずれも、要人の発言などに応じて市場が敏感に動く可能性もあります。柔軟に対応できるよう備えておきたいところです。
5日移動平均線に下支えされて上昇。底堅さを感じさせる
ここまでの動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。3月下旬以来、着実に上昇を続けています。18日には、1月23日から3月26日までの下落の3分の2戻しの22,868円も終値ベースでクリアしました。先週も5日移動平均線に下値を支えられて底堅さを感じます。
先々週には25日移動平均線が75日移動平均線を下から上に抜けるゴールデンクロスが形成されました。25日線も上向きで、チャートの形は強い上昇トレンドを示しています。
過熱感はあるものの、短期的な調整は押し目買いの好機に
22,500円~23,000円までの間は、過去にもみ合ったところです。ただし、先週の終値は22,930円36銭と、23,000円まで60円あまりに迫り、このもみ合いを抜けそうです。週初にここを超えて寄りつくことも考えられます。その後、23,000円台が定着するようであれば、24,000円付近まで目立った節がないため、するすると上昇する可能性もあります。
一方で、8週連続上昇となっていることから、RSIなどの指標では過熱感も出てきており、短期的な若干の調整もありそうです。ただし、その場合でも、25日移動平均線あたりまでは押し目買いの好機になるでしょう。
上値めどとしては、2月2日の終値(23,274円)と5日の始値(22,921円)の間の窓を埋めることができるかどうかは一つのポイントになりそうです。そこを超えられれば、23,500円や、1月23日の高値(24,129円)あたりが目標になります。下値めどは今月上旬にもみ合った22,500円あたりになるでしょう。このあたりはちょうど25日移動平均線にも重なります。
下原 一晃