共働き世帯が増加している現代。男女共同参画白書 令和5年版においても、専業主婦世帯より共働き世帯が上回っている現状がよくわかります。
とはいえ、共働きといっても妻がフルタイムで働いているという世帯ばかりではありません。
さまざまな家庭の事情により、パートタイムで働く家庭も多いでしょう。
では、専業主婦世帯と「妻がフルタイムの共働き世帯」は世帯年収と貯蓄にどんな違いがあるのでしょうか。5月17日に公表された総務省の最新統計より見ていきます。
1. 「専業主婦世帯と共働き(フルタイム・パート)世帯」いつから数が逆転した?
いつから専業主婦世帯が減少し、共働き世帯を下回ったのでしょうか。
内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 令和5年版」より、まずは共働きと専業主婦の世帯数を1985〜2022年まで見ていきましょう。
1.1 共働きと専業主婦の世帯数
1985年には専業主婦世帯が936万世帯、共働き世帯が718世帯でした。
1990年以降に共働き世帯が上回る年が増え、1996年以降はずっと共働き世帯が上回っています。
2022年には共働き世帯が1191万世帯、専業主婦世帯が430万世帯となりました。
では、フルタイムで働く女性(有配偶)はどれほどいるのでしょうか。
1.2 フルタイムの割合(有配偶の女性)
- 20歳代:66.5%
- 30歳代:49.3%
- 40歳代:36.4%
- 50歳代:29.5%
- 60歳代:22.9%
同資料によると、フルタイムで働く女性の割合は年代を追うごとに低くなります。
30歳代の約半数は正規雇用労働者として働きながら、家事・育児等を両立させています。その後も割合は低下し、50歳代ではフルタイムの割合が3割以下となりました。
一方、男性は以下のとおりです。
1.3 フルタイムの割合(有配偶の男性)
- 20歳代:96.1%
- 30歳代:95.5%
- 40歳代:95.2%
- 50歳代:89.9%
- 60歳代:64.6%
共働き世帯が増加しているとはいえ、夫婦ともにフルタイムの世帯はまだ少ないことがうかがえます。
次章では専業主婦世帯と共働き世帯の年収や貯蓄についてみてきましょう。