4. 「専業主婦・共働き」それぞれにメリットもデメリットもある
専業主婦・共働き世帯に分けて年収や貯蓄について見ていきました。
単純に世帯年収をあげれば家計改善になるように思えますが、実際にはうまくいかないこともあるでしょう。
制度や支援の兼ね合いによっても異なります。職場や自治体の制度をしっかり踏まえた上で総合的に考えたいですね。
なお、今の働き方は将来の老齢年金にも影響します。10月からは社会保険適用拡大が控えることで、扶養内パートにとどまるかどうか、悩む方も多いでしょう。
手取り額を重視するのも大切ですが、老後のことまで考えられるのが理想です。
さらに、お金の面以外でも、専業主婦や共働き世帯にはそれぞれメリットやデメリットがあります。
専業主婦家庭であれば、家事に時間をかけることで支出の削減が可能です。
育児にも時間を割けるため、子どもとの関わりを優先したいという方も多いですね。「子どもが小さい間だけ」など、時限的に専業主婦を選ぶ方も多いです。
一方で、早くに保育園デビューをすることで、子どもの社会が広がるという見方もあります。ひとりで育てれば悩んだり行き詰まったりすることの多い育児だからこそ、相談場所があるのは心強いですね。
そもそも子どもの発育や両親の介護、配偶者の転勤の有無などにより、働き方が必然的にセーブされてしまうという家庭も多いです。
どのような暮らし・マネープランを立てるかは家庭によりさまざまなので、統計情報を参考にしながら、総合的に考えていけるのが理想ですね。
5. まとめにかえて
働き方が多様化する現代。共働き世帯が一気に増えましたが、まだ夫婦ともにフルタイムという世帯は多くありません。
制度にも課題がありますが、家庭の事情によるところも大きいでしょう。
夫婦のキャリアを考える上で、「年収」だけにとらわれるのではなく、世帯の家計について総合的に考えていきたいですね。
参考資料
- 内閣府「男女共同参画白書 令和5年版」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯) 妻の就業状態,世帯類型別」
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯) 妻の就業状態,世帯類型別」
太田 彩子