公的年金は「後払い」となっており、原則偶数月の15日に該当支給月の前月と前々月の2ヶ月分が支給されます(※15日が土日祝日の場合はその直前の平日に支給)。

そのため、2024年度最初の年金支給日は、本日6月14日(金)となります。

2024年度は年金が2.7%の増額改定となり、多くの人の場合は昨年度よりも年金額がアップしている可能性があります。

本記事では、2024年度の年金額改定について紹介していきます。

年金から天引きされるお金や、6月に送付される年金振込通知書で確認したい項目についても解説しているので、あわせて参考にしてください。

1. 6月14日支給分から年金が増額!いくら増える?

厚生労働省は、2024年度の年金額例として下記の金額を公表しています。

【写真1枚目/全4枚】2024年度の年金額例。その他の写真では「年金振込通知書」や「天引き額の目安」等を紹介1/4

2024年度の年金額例

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」

【2024年度の年金額の例】

  • 国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分)
  • 厚生年金:23万483円(標準的な夫婦2人分)

昨年度よりも、国民年金で「+1750円」、厚生年金で「+6001円」の増額となっています。

留意点として、厚生労働省の公表した国民年金の金額例は、満額受給を想定した「1人分」の年金額です。

仮に国民年金の加入期間である20歳〜60歳未満の間に未納の期間があった場合は、上記の金額よりも少なくなります。

また、厚生労働省の公表した厚生年金の金額例は、「標準的な夫婦2人分」の年金額であり、ここには国民年金も含まれています。

「標準的な夫婦」とは、下記のケースを指しています。

  • 夫婦ともに国民年金を満額受給
  • 夫が厚生年金(平均標準報酬43万9000円で40年間就業)

上記をふまえ、一概に全ての人が、厚生労働省が公表した金額通り受け取れるわけではないことを留意しておきましょう。

ご自身の2024年度の年金額を知りたい場合は、6月に送付される「年金振込通知書」で確認することをおすすめします。

次章にて年金振込通知書の確認したい項目を見ていきましょう。

2. 天引きに注意!6月に送付される「年金振込通知書」とは?

年金振込通知書とは、毎年6月頃に送付されるハガキ型の書類です。

この通知書には、2024年度から受け取れる年金額以外にも、天引きされる税金・社会保険料などの2ヶ月分の金額が記載されています。

毎年6月頃に送付される年金振込通知書2/4

毎年6月頃に送付される年金振込通知書

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

年金振込通知書の中で、確認したい項目は以下の6つです。

  1. 年金支払額
  2. 控除後振込額
  3. 介護保険料額
  4. 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料
  5. 所得税額および復興特別所得税額
  6. 個人住民税額

「年金支払額」は、今年度に支給される公的年金の総支給額で、税金や社会保険料が天引きされる前の金額となっています。

一方で「控除後振込額」は、税金や社会保険料が天引きされた後の金額で、いわゆる年金手取り額となります。

「介護保険料」「後期高齢者医療保険料、国民健康保険料」「所得税および復興特別所得税」「個人住民税」は、年金から天引きされている税金・社会保険料となっています。

場合によっては、天引きではなく普通徴収として自分で納付するケースもあるため、年金振込通知書が届いたら早めに確認することをおすすめします。

なお、日本年金機構によると、年金振込通知書は2024年6月6日送付予定となっています。

2.1 2024年は定額減税額も確認

年金振込通知書が届いたら、「定額減税がされているか」の確認もしておきましょう。

定額減税とは、年金から天引きされている「所得税」と「住民税」が、一定額控除される制度となっています。

所得税は2024年6月から、住民税は2024年10月から減税が開始となり、年金振込通知書には定額減税がされた後の税額が記載されています。

所得税・住民税それぞれの「支払い額」と「参考:前回支払額」との差額が、おおよその定額減税額になるため、減税が正しくされているかチェックしておけると良いです。

3. 年金からどのくらい税金や社会保険料が天引きされる?

では最後に、年金からどのくらい税金や社会保険料が天引きされるか、目安金額を確認しておきましょう。

総務省の「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」による、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における家計収支は下記のとおりです。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯における家計収支4/4

65歳以上の夫婦のみの無職世帯における家計収支

出所:総務省「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」

  • 実収入(総支給額):24万4580円
  • 可処分所得(手取り収入):21万3042円
  • 非消費支出(税金・社会保険料):3万1538円
  • 消費支出:25万959円

上記の統計では、総支給額の10〜15%が税金・社会保険料として天引きされていることがわかります。

なお、具体的な天引き額は、お住まいの地域や扶養家族の有無などによっても変わり、個人差があるため、上記はあくまで参考目安の金額として留意しておけると良いでしょう。

4. 年金振込通知書とあわせて「年金額改定通知書」も確認しよう

本記事では、2024年度の年金額改定について紹介していきました。

2024年6月14日の年金支給日から年金額が変わるため、実際に振り込まれた金額とともに「年金振込通知書」の確認もしておきましょう。

なお、年金額が物価や賃金の変動に応じて改定された場合、年金振込通知書と一緒に「年金額改定通知書」も送付されます。

2024年度は、年金額が2.7%の増額改定となることから、「年金額改定通知書」も届くため、年金振込通知書とあわせて確認しておけると良いです。

年金額改定通知書には、国民年金・厚生年金それぞれの改定額が記載されているため、ご自身の年金額が前年度と比較してどのくらい変わったか・改定額が反映されているかなど、必ずチェックしておきましょう。

【編集部よりご参考】

参考までに、厚生年金の平均額は月額で14万3973円、国民年金の平均額は月額で5万6316円です。個人差もあるため、最後に受給額ごとの人数もご紹介します。

厚生年金受給額ごとの人数

  • 1万円未満:6万1358人
  • 1万円以上~2万円未満:1万5728人
  • 2万円以上~3万円未満:5万4921人
  • 3万円以上~4万円未満:9万5172人
  • 4万円以上~5万円未満:10万2402人
  • 5万円以上~6万円未満:15万2773人
  • 6万円以上~7万円未満:41万1749人
  • 7万円以上~8万円未満:68万7473人
  • 8万円以上~9万円未満:92万8511人
  • 9万円以上~10万円未満:112万3972人
  • 10万円以上~11万円未満:112万7493人
  • 11万円以上~12万円未満:103万4254人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5662人
  • 13万円以上~14万円未満:92万5503人
  • 14万円以上~15万円未満:95万3156人
  • 15万円以上~16万円未満:99万4044人
  • 16万円以上~17万円未満:104万730人
  • 17万円以上~18万円未満:105万8410人
  • 18万円以上~19万円未満:101万554人
  • 19万円以上~20万円未満:90万9998人
  • 20万円以上~21万円未満:75万9086人
  • 21万円以上~22万円未満:56万9206人
  • 22万円以上~23万円未満:38万3582人
  • 23万円以上~24万円未満:25万3529人
  • 24万円以上~25万円未満:16万6281人
  • 25万円以上~26万円未満:10万2291人
  • 26万円以上~27万円未満:5万9766人
  • 27万円以上~28万円未満:3万3463人
  • 28万円以上~29万円未満:1万5793人
  • 29万円以上~30万円未満:7351人
  • 30万円以上~:1万2490人

国民年金受給額ごとの人数

  • 1万円未満:6万5660人
  • 1万円以上~2万円未満:27万4330人
  • 2万円以上~3万円未満:88万1065人
  • 3万円以上~4万円未満:266万1520人
  • 4万円以上~5万円未満:465万5774人
  • 5万円以上~6万円未満:824万6178人
  • 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
  • 7万円以上~:178万3609人

参考資料

太田 彩子