老後生活を迎えると、公的年金が収入源の柱となりますが、年金を受給するようになって「思っていたよりも少ない」と感じる人は多いです。
厚生労働省の「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」によると、100%年金だけで生活している人は全体の44%であり、半数以上の人が「年金だけでは生活できていない」のが現状です。
上記をふまえ、老後生活までに資金準備をしておくことも大切ですが、老後に受け取れるお金を増やす「増額制度」を知っておくことも重要です。
本記事では、老後に受け取れる年金額が増額する制度について紹介していきます。
「2024年度の年金の改定額」や「リアルな年金の平均月額」についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。
1. 2024年度は年金額がいくらになる?
まずは、2024年度の年金額例から確認していきましょう。
年金は、物価や賃金の変動率によって、毎年改定が行われています。
2024年度は近年の物価・賃金の上昇を受け、2.7%の増額改定となりました。
厚生労働省によると、2024年度の年金額の例は下記のとおりです。
- 国民年金(満額):6万8000円(1人分)
- 厚生年金:23万483円(夫婦2人分の国民年金を含む標準的な年金額)
2023年度の年金額の例と比較すると、国民年金で+1750円、厚生年金で+6001円も受給額がアップしています。
しかし、この金額例は、あくまで「国民年金を満額受給した場合」と「標準的な夫婦世帯2人分」の金額を想定したものとなっており、全員がこの金額を受給できるわけではありません。
では、実際の国民年金と厚生年金の平均的な金額はいくらくらいなのでしょうか。
次章にて、それぞれの平均月額を見ていきましょう。