2024年5月24日、総務省が発表した「2020年基準 消費者物価指数 全国2024年(令和6年)4月分」によると、総合指数は前年同月比2.5%の上昇となりました。また、生鮮食品を除く総合指数は前年同月比2.2%、生鮮食品を及びエネルギーを除く総合指数は2.4%の上昇です。
とどまることなくジワジワと上昇し続ける物価。一方で、収入が思うように増えず家計が苦しい世帯も増え続けていることでしょう。
6月には政府が行う物価高騰への対応措置として「ひとり4万円の定額減税」が行われますが、同時に電気・ガス代の負担軽減策が5月に終了。定額減税によって一時的に手取りが増えるものの、家計・経済においてどれほどの効果があるものか、疑問の声は少なくありません。
さて、こうした中でも待ったなしで近づいてくる老後。老後に向けて同年代の人たちがどれくらい準備をしているのか気になるところです。
本記事では老後が間近に迫る50歳代の貯蓄額を確認していきます。また新NISAを活用して50歳から65歳までに「あと1000万円」をつくるために、毎月いくら積み立てればよいのかをシミュレーションします。
1. 【50歳代の平均貯蓄額】単身世帯1391万円
50歳代に突入し、老後をより強く意識し始めるという人は少なくないでしょう。
老後に向けた貯蓄の進捗は世帯によって異なるものですが、50歳代、公的年金(老齢年金)の受給開始となる65歳までそうのんびりしていられません。
自分と同じ50歳代世帯は、いったいどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
金融広報中央委員の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、50歳代の貯蓄額を「単身世帯」と「二人以上世帯」に分けて見ていきます。まずは単身世帯から。
※本章で確認する貯蓄額(金融資産保有額)には預貯金以外に株式・投資信託・保険などの金融商品残高が含まれます。
1.1 平均貯蓄額と中央値
- 平均:1391万円
- 中央値:80万円
1.2 金額階層別の世帯割合
- 金融資産非保有:38.3%
- 100万円未満:11.2%
- 100~200万円未満:5.2%
- 200~300万円未満:2.7%
- 300~400万円未満:3.6%
- 400~500万円未満:3.8%
- 500~700万円未満:4.6%
- 700~1000万円未満:5.5%
- 1000~1500万円未満:4.9%
- 1500~2000万円未満:4.1%
- 2000~3000万円未満:4.4%
- 3000万円以上:9.3%
50歳代・単身世帯の平均貯蓄額は1391万円ですが、より実態に近い数値と考えられている中央値は80万円です。
また、貯蓄額ごとの世帯割合を見ると、貯蓄ゼロの世帯が38.3%と約4割を占めていることがわかります。
次に二人以上世帯の貯蓄額を見てみましょう。