老後の収入源の柱となる「公的年金」の受給開始年齢は原則65歳以降であることから、70歳代以降は老後を迎えている年代といえます。

そんな老後生活をスタートさせている70歳代以降の人たちは、老後に備えた貯蓄ができているのでしょうか。

本記事では、2024年5月17日に総務省より公表された最新データより、「70歳以上の平均貯蓄額」について紹介しています。

70歳代以降のリアルな年金受給額についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 70歳以上の「平均貯蓄額」は2503万円。内訳はどうなっている?

総務省統計局の「家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表」によると、70歳以上の平均貯蓄額は「2503万円」となりました。

近年「老後2000万円問題」が大きな話題となっていますが、平均的な数値をみると、多くのシニア世代が老後までに2000万円の資金を準備できていることがうかがえます。

総務省統計局の同調査によると、70歳以上の平均貯蓄2503万円の大半が「預貯金」であり、偏りが目立っています。

内訳は以下のとおりです。

1.1 金融機関に保有する金額:2491万円

  • 通貨性預貯金:744万円
  • 定期性預貯金:863万円
  • 生命保険など:416万円
  • 有価証券:468万円
  • 貸付信託・金銭信託:16万円
  • 株式:258万円
  • 債券:49万円
  • 投資信託:145万円

1.2 金融機関外に保有する金額:12万円

金融機関外に保有する金額は、平均で12万円となりました。

預貯金は、投資のように資金が減るリスクが少なく安全性が高い反面、金利が低く預けていてもお金がほとんど増えないのが現状です。

一方で、株式・債券・投資信託は、資産が減ってしまうリスクはありますが、預貯金よりも高いリターンが期待できます。

老後も安心して資産形成をしていくためには「預貯金と投資のバランス」を見直すことが大切であり、リスクの許容範囲内で投資の枠を増やし、さらに老後資産を増やすことを検討できると良いでしょう。

そのためにはまず、金融商品について理解を深め、自分に合った生命保険や資産運用の方法を選択することが重要です。