2. 働く還暦人の85.8%が「60歳以降も働きたい」

同資料では、59歳時点で就労をしている・していた人(1553名)に還暦以降の就労意向も調査しています。

こちらの結果では、60歳以降も働きたい人の割合が85.8%となりました。

さらに、70歳以降も働きたい人の割合は42.7%となっています。

働く理由としてもっとも多いものが「働かないと生活費が不足するから」となっており、2位「健康を維持したいから」、3位「その歳までは元気に働けると思うから」を上回ります。

経済的な理由から就労を継続する方も多いようです。中には60歳の単身世帯で「貯蓄ゼロ」というケースもあります。

公的資料から、その割合を探りましょう。

3. 【60歳代の単身世帯】貯蓄ゼロも!その割合とは?

では、60歳代の単身世帯で「貯蓄ゼロ」の人はどれくらいいるのでしょうか。

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」によると、以下のとおりとなりました。

60歳代の単身世帯の貯蓄円グラフ

60歳代・ひとり以上世帯の貯蓄円グラフ

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」をもとにLIMO編集部作成

3.1 【60歳代の単身世帯】の貯蓄ゼロの割合

  • 33.3%

3.2 【60歳代の単身世帯の貯蓄額】平均と中央値

  • 平均:1468万円
  • 中央値:210万円

貯蓄ゼロ(非保有)は33.3%です。この金額に驚かれた方も多いのではないでしょうか。

実は、同資料において金融資産は「定期性預金・普通預金等の区分にかかわらず、運用の為または将来に備えて蓄えている部分とする。…(中略)…日常的な出し入れ・引落しに備えている部分は除く」と定義されています。

日常的に使用する銀行口座の残高は含まれていないため、「貯蓄ゼロ」とは言っても全く貯金がないというわけではありません。

ただし、同資料において「平均手持ち現金残高」は60歳代の単身世帯で44万円です。

100万円以上は18.9%にとどまり、もっとも多い割合を占めたのは10万円未満で53.4%でした。

こちらも加味すると、先ほどの3割の方は、ほとんど貯蓄のない状態で日々の生活を送っていることになります。