6. 老後の備えとして活用したいもの
2つの調査結果からは、貯蓄できている世帯とそうでない世帯との差が見えてきました。
将来の受け取れる年金のことも併せて考えると、不安に感じた方も多いのではないでしょうか。
老後に向けた準備として貯金も重要ですが、昔のように金利が付くわけではないため、貯金だけでは限界があります。そこで合わせて活用したいのが資産運用です。
近年では、新NISAもはじまり資産運用への関心も高くなりつつあり、筆者も相談を多くもらいます。その中で上がる声としては「貯金だけではもったいない」や「貯金だけでは不安だ」という声です。
資産運用は貯金と違って大きなリターンを得られることが期待できます。しかし、リスクは伴いますので注意は必要です。さらには、資産運用といっても世の中にはいろいろな方法があります。
そこで大切なのは、自分にはどんな資産運用があっているのかということです。資産運用は人によって合う、合わないがあるので、まず調べてみることを最初の一歩として始めて見てはいかがでしょうか。
7. まとめにかえて
老後に向けて貯金や資産運用を始めていくことは大切ですが、ただ漠然としていては「このままでいいのか」などといった不安は拭えないでしょう。
老後の為にせっかく資産運用を始めたのにこれでは長続きしない可能性もあります。
そこで大切なのが「目標」になります。
自分の老後にはいくら必要なのか明確化しましょう。そうすることによって自分の資産運用はこのままで問題ないと自信をもって、仮に不測の事態が起こったとしてもそこから計画を修正できます。
資産運用を考えるこの機会に、一度ご自身の生活スタイルや今後の目標などを整理してみてはいかがでしょうか。
現状を知ることでさらに不安を感じてしまうかもしれませんが、知らないことには対策は打てません。知ることで何かしらの準備を取れることにより、きっと豊かな老後生活へとつながるでしょう。
7.1 【ご参考】60歳代の単身世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:33.3%
- 100万円未満:8.5%
- 100~200万円未満:4.7%
- 200~300万円未満:2.8%
- 300~400万円未満:4.3%
- 400~500万円未満:2.4%
- 500~700万円未満:3.5%
- 700~1000万円未満:2.8%
- 1000~1500万円未満:6.6%
- 1500~2000万円未満:4.5%
- 2000~3000万円未満:8.0%
- 3000万円以上:15.1%
- 平均:1468万円
- 中央値:210万円
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- PGF生命「PGF生命調べ 還暦に見えない! 容姿が若いと思う同年代の有名人は? 男性有名人1位「阿部 寛さん」、女性有名人1位「山口 智子さん」」
大庭 新太朗