3. テレビなし・ネット配信を見ていなくてもNHK受信料の支払いが発生するのか

NHK受信契約する定義として、放送法第64条第1項に「NHKの放送を受信できる受信設備を設置した者は、NHKと受信契約を締結しなければならない」と明記されています。

つまり、NHKを視聴していない人でも「NHKの放送を受信できる設備がある」場合は、受信料の支払いが義務付けられているのです。

NHKの放送を受信できる設備(例)

NHKの放送を受信できる設備(例)

出所:筆者作成

「NHKの放送を受信できる設備」として、テレビ以外にも、ワンセグ機能が搭載されたスマートフォンやパソコン、カーナビなどが挙げられます。

たとえスマートフォンでネット配信を見ていなくても、「放送を受信できる設備」として判断された場合は、受信契約を締結する義務が課せられる可能性もあるため、あわせて留意しておきましょう。

4. 改正実施は2025年度の後半。しかし課題は山積みか

本記事では、新たに改正された放送法の内容や、どのような人が今回の改正案の影響を受けるのかについて詳しく解説していきました。

今回の改正案は、2025年度後半の実施を目指しており、随時詳細が発表されるでしょう。

しかし、実施までにまだまだ課題が山積みとなっているのが現状です。

たとえば、従来の受信契約は受信設備をもつ「世帯単位」での徴収となっていますが、ネット配信を視聴する人へのNHK受信料の徴収は「個人単位」となることが予想され、公平性の観点から懸念の声が挙がっています。

また、そもそも「どのくらいの人がアプリをダウンロードしてNHKのネット配信を視聴するのか」は不透明であり、ニーズがあるかどうか疑問視する声もあります。

このような課題について、NHKがどのように検討していくのか注目が集まっています。

参考資料

和田 直子