4. 6月送付「年金振込通知書」7つの要確認項目

年金振込通知書で確認すべき項目は以下の7点です。

年金振込通知書(見本)

年金振込通知書(見本)

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

4.1 年金支払額

年金支給日に支払われる天引き前の年金額です。

年金は前々月分と前月分がまとめて支払われるため、年金支払額に記載されている金額は2ヶ月分となります。

4.2 介護保険料額

年金から天引きされる介護保険料の金額です。

4.3 後期高齢者医療保険料、国民健康保険料

後期高齢者医療保険料や国民健康保険料の金額で、天引きの対象になっている場合のみ記載されます。

4.4 所得税額および復興特別所得税額

1つめの項目「年金支払額」から介護保険料や国民年金健康保険料(75歳以上:後期高齢者医療保険料)のほか、配偶者控除などを差し引いた金額に所得税率「5.105%」を掛けた金額です。

4.5 個人住民税額

年金から天引きされる個人住民税の金額です。住民税は前年度の所得が確定する6月頃に計算が行われます。

8~10月の年金支給分から、正しい住民税が天引きされるため、手取り額が変更される場合があります。

その際には、年金額改定通知書が新たに送付されますので必ずご確認ください。

4.6 控除後振込額

各種天引きが行われ、実際に指定口座に振り込まれる手取り額です。

4.7 振込先

自身で指定した年金が振り込まれる「銀行名」と「支店名」が記載されています。

このように、年金振込通知書には受給に関する大切な情報が記載されていますので、手元に届いたら必ず確認しておきましょう。

5. 「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で自身の見込額を確認することから始める

本記事では、現在老齢年金を受給する世代の年金事情を確認しました。

厚生年金の平均月額は14万円台で、これを上回る年金を受給する人はそう多くないことが分かりました。

また、老後に月額20万円超の年金を受給できる人は約15%程度…と、厳しい年金暮らしの現状を知ることもできました。

少子高齢化が進む中、年金制度を支える現役世代より、年金を受給する高齢者世代の方が割合として多くなっていきます。

年金制度のバランスが崩れつつある中、今後も現在と同等水準の年金を受給できるかは分かりません。

こうした現状を踏まえ、老後に向けて自身で対策を進めていく必要があるでしょう。

まずは現時点で把握できることの1つとして、ご自身の年金見込額を「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみてください。

老後に向けて貯蓄をどれくらい準備すべきか?などの目標を立てやすくなるでしょう。

参考資料

和田 直子