2024年度の公的年金は前年度から2.7%増額となります。

間もなく訪れる6月14日(金)には2024年度4月分と5月分が支給されます。つまり、増額改定分の初回支給日となるのです。

増額といっても前年の物価上昇率を下回るため実質的には目減りとなります。それでも、目に見えて数字が増えるのは嬉しいことですね。

なお、6月には「年金振込通知書」がご自宅に届きます。2024年6月~翌年4月までの年金振込額等が記載された大切な通知物となりますので、必ず確認しておきましょう。

本記事では、現在の年金事情を確認し、年金振込通知書の見方も解説していきます。

1. 公的年金「厚生年金・国民年金」のしくみ

最初に、日本の年金制度について簡単にしくみを確認しておきましょう。

【写真4枚】1枚目/日本の年金制度のしくみ、2枚目/《一覧表》厚生年金の受給額ごとの人数

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

上図のとおり、日本の公的年金制度は、「国民年金」とその上に位置する「厚生年金」により構成されています。

それぞれの特徴は次のとおりです。

1.1 国民年金

  • 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
  • 保険料は一律(年度ごとに見直しあり)※2024年度は月額1万6980円
  • 納付した期間に応じて将来もらえる年金額が決まる

国民年金の被保険者は、第1号~第3号の3種類に分類されます。

このうち、学生や自営業者などは第1号被保険者に該当し、自身で保険料を納付する必要があります。

厚生年金にも加入する会社員や公務員などは第2号被保険者。そして第2号被保険者に扶養される配偶者は第3号被保険者となります。

第2号・第3号被保険者の国民年金の保険料は、第2号被保険者の厚生年金保険にて負担されるため、別途納付する必要はありません。

1.2 厚生年金

  • 主に会社員や公務員などが国民年金に上乗せして加入する
  • 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)※会社側と折半する形で給与から天引き
  • 加入期間や納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる

上記のとおり、厚生年金の保険料は一律ではありません。

収入に比例して保険料は高くなり、老後に受給する年金額にも影響することをおさえておきましょう。

では、実際に老後に受給する年金は月額どれくらいあるのでしょうか。次章で確認していきます。