2. 保険営業が日々感じる4つの苦悩

旧NISA、新NISA導入後、保険営業が日々感じる4つの苦悩についてご紹介してきます。

2.1 生命保険営業の苦悩【その1】従来の保険営業トークでは通用しない

保険の普及率が高い日本では、保険の必要性について伝える機会はあまり多くありませんでした。

しかし、最近では資産形成層の関心が投資や資産運用に向けられていることから、これまで以上に保険の必要性について理解いただくことが重要となっています。

このような状況では、従来の保険営業のセールストークだけでは十分ではなく、新たな説明方法やアプローチが求められます。旧NISA以降、経験豊富な保険営業であっても、有価証券に関する提案なしでは、課題に直面し、苦戦しているというのが実情です。

2.2 生命保険営業の苦悩【その2】知人や知り合いの紹介に頼る顧客開拓が困難になっている

多くの保険営業が顧客開拓の手段として主に活用しているのは、知人や知り合い経由の紹介です。

しかし、誰もが簡単にさまざまな情報へアクセスできる時代になった今、そうした販売チャネルは壊れつつあります。

元保険営業で管理職を担当されていた方の話では、「紹介による営業がうまくいっていたのは、人とのつながりが残っている地方のエリアで、人とのつながりがそれほど強くない都心となると、苦戦する」とのコメントもありました。

スマホの普及率も上昇し、コロナ禍も経て人とリアルに面会するということが必ずしも日常ではなくなった現在、特にデジタルネイティブ世代のお客様と出会うには、これまでの方法では限界を感じる人が増えているようです。

2.3 生命保険営業の苦悩【その3】オンライン面談で営業することの難しさ

コロナ禍以降、オンラインでの対応を求められることも増えており、これまでの対面とは異なる空気感にお客様との関係性を深めることの難しさや、コミュニケーションの難しさを指摘する人も多いです。

今後もこの流れは加速するでしょうし、オンラインに対応できない場合は、今後の活動の場も変更が求められることでしょう。

2.4 生命保険営業の苦悩【その4】金融業界内での他業態との競争が激化している

新NISA時代の今、保険業界は銀行や証券会社といった金融における他業態との競争が激化しています。

保険業界内で見ても、複数の保険会社の保険商品を選択できる保険代理店が身近な存在になったことから、自社の商品しか取り扱うことのできない保険会社の保険営業を取り巻く環境は厳しさを増しています。

さらに、テクノロジーを駆使した保険関連サービスを提供するフィンテック企業も登場しており、お客様の利便性が高まり、従来のリアル店舗を中心とする金融機関を選択する理由が薄れてきていることも見逃せません。

以上、4点ご紹介しました。これらの理由で以前より保険を販売しにくい状況になっていると言えます。

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