3. 国民年金はいくら支給されているの?
同資料から、国民年金(老齢基礎年金)の平均月額も確認します。
3.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
3.2 【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
国民年金のみでは5万6316円となりました。ボリュームゾーンも5万円台の方が多いとわかります。
独自の備えが必要になるでしょう。
厚生年金と国民年金の実際の支給額を見て、不安に感じた方がいるかもしれません。年金を増やす方法、独自の備え方は複数知っておくことが大切です。
まずは厚生年金の長期加入者特例について解説します。
4. 厚生年金の長期加入者特例とは?高卒で働いた方などは対象かも
18歳から働いた方などは、勤続年数が44年以上になることがあります。
厚生年金の長期加入者特例として、厚生年金の被保険者期間が44年以上ある方に上乗せされる特例もあるので知っておきましょう。
具体的には、特別支給の老齢厚生年金として報酬比例部分しかもらえない世代の方のうち、厚生年金の被保険者期間が44年以上ある方に上乗せされるというものです。
特別支給の老齢厚生年金とは、厚生年金保険の受給開始年齢が60歳→65歳に引き上げられたことに伴い導入されたもので、以下の要件を満たしている方が受給できます。
- 男性:1961年(昭和36年)4月1日以前に生まれた
- 女性:1966年(昭和41年)4月1日以前に生まれた
- 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある
- 厚生年金保険等に1年以上加入していた
- 生年月日に応じた受給開始年齢に達している
受給開始年齢を段階的に、スムーズに引き上げるために設けられた「特別支給の老齢厚生年金」。こちらには、「報酬比例部分」と「定額部分」があり、受給できる年齢は生年月日と性別に応じて決まっています。
これにより、一部の世代は現在、報酬比例部分しか受け取れない状況になっています。
長期加入者特例とは、こうした方を対象にして「定額部分が受け取れるようになる」という特例なのです。
ただし、以下の方は対象外になります。
- 日本年金機構の管理する厚生年金保険、公務員共済組合、私学共済等を合計して44年以上になる場合
- 厚生年金保険に加入して被保険者となっている場合
個人の加入状況によって異なるため、詳細は年金事務所等でご相談ください。
続いてiDeCo等による上乗せ方法も解説します。