彼らは結婚してもおかしくない年齢で、交際期間も3年を超えている状況。周りも結婚ラッシュがすでに始まっており、お互いに「結婚しようね」と言い合う仲ではありますが、貯金が0円という状況の中で軽々しく結婚という決断に踏み切ることはできないと言います。
地元の友人は皆、結婚式をして自分を招待してくれている。その一方で、自分だけ地味婚ですとは言えない。そんな葛藤もあり、やはり結婚式はしたいと思っている2人には、結婚式費用という大きな問題がのしかかっています。両親の援助に頼りたくないから、2人だけで貯めようと話していたそうですが、現状の2人を見ていると、結婚式ができるほどの貯金は到底できそうにありません。
また、暮らしているうちに家賃が高いということに気は付きましたが、まとまった引っ越し資金がなく、家賃の安い家に移ることもできない状況です。引っ越しでまとまったお金を出しても、その金額分を回収するには何年もその家に住まなければならないと思うと現実的には今の家で過ごしたほうがいいという結論になったのだそう。結婚するときには家を買い、新婚生活は新居で過ごしたいと言います。
しかし、結婚式ができないから結婚は当分先、でも結婚したら家を買いたい、家賃は高いけれど引っ越しても新しい家に住むのは結婚までの間だけでそう長くはないから引っ越しはしない、というなんともちぐはぐな状況です。これではお金のことを考えても、そのときの気分だけで違う結論になってしまい、1つの定まった方針のもとでお金を節約したり貯金したりという計画が立てられません。
「子どもはむずかしい」と思うワケ
そんな2人は、「子どもを持つのはちょっと難しそう」という共通認識がありました。2人とも多忙で、家事は分担。生活費も完全折半。しかし、今の生活水準では彼女が妊娠、出産するときに、彼だけの収入では支えきれないというのです。たしかに、生活レベルを落とさずに今の生活を続けていくという考えのもとでは、子どもを持つことは現実的ではないでしょう。子どもに教育費がかかるようになると、あっという間に家計が破綻してしまう可能性が非常に高そうです。
彼らに言わせると、「贅沢な生活は決してしていない」と言います。簡単に言えば、2人は今の生活に慣れてしまって、節約や貯金のために生活水準を落とせない状況なのです。贅沢だと思っていないということは、節約しようと思うとフラストレーションがたまってしかたなくなります。「たしかにこの生活は贅沢だった」と納得することができれば、生活水準を落とすことは難しくなかったのですが、2人には少しハードルが高いようです。
まとめ
いかがでしたか。2人は決して収入が低いわけでもないですし、ブランドバッグを持ったり外食ばかりしていたりと派手な生活をしているわけではありません。しかし、そういう派手さがない分、「贅沢な生活」とのイメージが合致せず、自分たちの生活の贅沢さを知らずに過ごしているのが非常に厄介です。くれぐれも、こうした生活で隠れ貧困に陥らないように気をつけたいものですね。
大塚 ちえ