3. 「住民税非課税世帯」年代別の割合は?高齢者が多い理由3つ

住民税非課税世帯には、実際には高齢者世帯が多く該当します。

厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」から、年代別の住民税非課税世帯の割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)を確認してみましょう。

年代ごとの住民税非課税世帯の割合

年代ごとの住民税非課税世帯の割合

出所:厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」をもとにLIMO編集部作成 注:「総数」には年齢不詳を含む

  • 30歳代:9.2%
  • 40歳代:9.2%
  • 50歳代:11.3%
  • 60歳代:19.2%
  • 70歳代:34.9%
  • 80歳代:44.7%

40歳代までは1割に満たないようですが、60歳代になると約2割が住民税非課税世帯に。その後も増え続け、80歳代では44.7%が該当するようになっています。

年齢を追うごとに、住民税非課税世帯の割合が増えていることがわかりますね。

参考までに、住民税非課税世帯を母数とした場合、70~79歳が占める割合は37%、80歳以上が占める割合は29%であり、70歳代以上が合わせて66%を占めているということもわかっています。

高齢者が多い理由としては、主に以下の3つが考えられるでしょう。

  • 年金生活になって収入が下がる
  • 年金所得控除が大きいため、所得が少なくなる
  • 遺族年金は非課税

現役世代に比べると、高齢者世帯の所得は少なくなることが一般的です。

厚生年金の平均額は約14万円。平均通りであれば課税世帯になりますが、平均以下で暮らす世帯は多いです。

また、遺族年金は非課税である点も大きな影響を与えています。

さらに、年金の所得控除は給与の所得控除よりも大きいです。

例えば大阪市の場合、住民税非課税になる目安年収として、給与所得者は100万円以下、年金受給者(65歳以上)は155万円以下としています(いずれも扶養親族なしの場合)。

個人市・府民税 非課税限度額・所得割非課税限度額の一覧表

個人市・府民税 非課税限度額・所得割非課税限度額の一覧表

出所:大阪市「個人市・府民税が課税されない方」

公的年金等受給者の個人市・府民税非課税限度額・所得割非課税限度額の一覧表

公的年金等受給者の個人市・府民税非課税限度額・所得割非課税限度額の一覧表

出所:大阪市「個人市・府民税が課税されない方」

給与として年収155万円を稼いでいては、住民税非課税世帯にはなりません。年金受給者のほうが、ハードルが低くなっているのです。

住民税非課税世帯には、現在7万円の現金給付が行われています。

高齢となり体力的にも働けなくなれば、こうした給付金は心強い存在になっているでしょう。

給付金に関しては、2024年度に新たに住民税非課税世帯に該当する人も対象になることが決まっています。該当する場合は10万円が給付されます。