国民の多くが支払う税金ですが、皆さんは住民税所得税をいくらくらい支払っていますか。筆者は「節税したい」という相談を多く受けるのですが、どのくらい税金を支払っていますかという質問には答えられない方も多いです。
最新のアンケート調査では、「定額減税」の認知度は6割にとどまり、そのうち正確に減税額を把握している人は約2割であることがわかりました。
できれば税金も抑えたいと思いながら、正確に理解できている方は少ないのかもしれません。
今回は2024年6月に迫った定額減税について見ていきたいと思います。
1. 定額減税が2024年6月開始!手取りはいくら増えるの?
令和6年度の税制改正に伴い、納税者と配偶者を含めた扶養親族1人につき所得税と住民税を控除する「定額減税」が始まります。
1.1 定額減税の対象者は誰か
定額減税の対象者は、2024年分所得税の納税者である居住者とされていますが、年収2000万円(合計所得金額1805万円)を超える人は、定額減税の対象外であるのが1つ目の注意点です。
※子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除の適用を受ける方は、2015万円以下
なお、所得税を納めていない方も当然対象外となり、別途給付金の対象となります。
2. 定額減税額はいくらか
定額減税の金額は、以下のとおりです。
- 本人の所得税:3万円
- 本人の住民税:1万円
- 同一生計配偶者または扶養親族の所得税:3万円(一人当たり)
- 同一生計配偶者または扶養親族の住民税:1万円(一人当たり)
単身世帯の場合、減税額の合計は4万円となります。
例えば専業主婦の配偶者を扶養している場合、夫の減税額は合計で8万円になるでしょう。子どもがいる場合はさらに加算されます。
ただし、給付金とは違い「減税である」というのが2つ目の注意点です。6月の給与で、上記分の手取り額があがるというわけではないのです。
そもそも、所得税を月額3万円も払っているという人は稀でしょう。できれば給与明細で毎月の税額を確認してみてください。上限は、当然ながら本人が負担する税金までとなります。
また、住民税の減税のしくみも異なるというのも、3つ目の注意点としてあげられます。
6月で引ききれなかった差額や、住民税の扱いはどうなるのでしょうか?次章にてくわしく見ていきます。