まもなく50歳になるという方は、そろそろ老後を意識し始めているのではないでしょうか。
子どもの教育費や住宅ローンの兼ね合いもあり、順調という方は少ないかもしれません。
今回は2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金や国民年金の受給額を「60歳~89歳」の1歳刻みで紹介します。
年金額を知ることで、老後対策を着実に進めていきましょう。
1. まもなく50歳!老後に向けて考えておくことは?
まもなく50歳という方は、定年退職まで10年~15年となることが多いです。老後資金を貯めるまでのラストスパートとなり、何をすればいいの?と思われるかもしれません。
まずは、現在の資産状況と定年退職までの支出・貯蓄のバランス、そして年金の見込額を把握するようにしましょう。
1.1 現在の資産状況の把握
参考までに、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、50歳代の貯蓄額は二人以上世帯で平均1147万円(中央値300万円)、単身世帯で平均1391万円(中央値80万円)となっています。
資産は預貯金だけでなく、保険や有価証券などもできるだけ正確に把握しておきましょう。
1.2 定年退職までの支出・貯蓄のバランス
これから定年退職までの間に、いくら貯蓄の上乗せができるのかもシミュレーションしておきたいところです。
これから子どもの大学学費が上乗せされる世帯は、支出増により貯蓄どころか赤字になる可能性もあるでしょう。反対に単身世帯の場合、年収がピークを迎えて貯蓄の黄金期に入るかもしれません。
参考までに、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、50歳代が手取り収入から貯蓄に回す割合は以下のとおりです。
単身世帯
- 平均:14%
- 5%未満:5.8%
- 5〜10%未満:10.6%
- 10〜15%未満:14.2%
- 15〜20%未満:4.4%
- 20〜25%未満:8%
- 25〜30%未満:3.1%
- 30〜35%未満:7.1%
- 35%以上:11.9%
- 貯蓄しなかった:35%
二人以上世帯
- 平均:12%
- 5%未満:6.9%
- 5〜10%未満:15.7%
- 10〜15%未満:20.2%
- 15〜20%未満:5.2%
- 20〜25%未満:8.3%
- 25〜30%未満:1.7%
- 30〜35%未満:5.7%
- 35%以上:8.1%
- 貯蓄しなかった:28.1%
1.3 年金の見込額を把握
50歳になると、ねんきん定期便で確認できる金額が少し変わります。
これまでは加入実績に基づいた金額のみとなっていましたが、「これから60歳まで今の状態で過ごした場合」の見込額が上乗せされます。
より実態に近い金額になるといえるでしょう。
とはいえ働き方や年収が変わることもあるので、こまめにチェックしておきたいところです。