2. 【体験格差】経済状況で左右されてしまう「子どもの体験」

先にお話ししたように、文部科学省による「子ども時代の体験が成長にどのように影響するのか」を分析した結果、子ども時代の体験を通じて育まれる意識や感情があることがわかりました。

【2枚目/全4枚】文部科学省の調査によると、子ども時代の体験を通じて育まれる意識や感情があることがわかった。

子供の体験格差

出所:文部科学省 「令和2年度 青少年の体験活動の推進に関する調査研究」(21世紀出生児縦断調査を活用した体験活動の効果等分析結果) 報告パンフレット(概要)

しかし、学校以外での体験は、家庭の教育方針そして経済状況にも左右されます。

経済的に余裕があれば子どもの成長にプラスになる習い事に通わせることや家族旅行、自然体験と小学生時代に色々と体験させられます。

しかし、経済的に厳しい家庭の子は学校での行事のみになりがちで、習い事を含めて休日や長期休暇に特別な体験をさせることが難しいです。

筆者の子ども時代もそうでしたが、家計が厳しいと外食などがかかるので、基本的に休みの日はお金のかからない図書館で半日過ごすか、家で過ごすか近所のスーパーに買い物に出かけるくらいでした。

平日の放課後の過ごし方も親世代の頃とは随分と変わりました。皆が公園で集まって体を動かして遊ぶ機会も減っています。ゲーム機を持ち寄って遊んでいる子の姿も珍しくありません。

また、学童保育で過ごしている子の中には曜日によって学習塾やスポーツや音楽系の習い事をして過ごす子もいます。「みんなで集まって遊ぶ」が難しい時代となり、習い事、家族で遠出する回数の違いと平日休日問わず子ども達の間の体験の差が広がっています。