現代社会において少子化による労働人口の減少は深刻な問題となっています。
働き手の不足に悩まされている企業はすでに多く、従来よりも高い時給で求人を出しても人が集まらないことも多いです。
また、現役世代1人が支える高齢者の人数が増えていることなどから、現役世代も年金世代も経済的に厳しい状況におかれています。
少子化が進めば国の活力は衰え、国民の暮らしも不便に、そして貧しくなります。
こうした問題を解消するためには将来の働き手である子どもを増やしていかなければなりません。
とはいえ、子育て世帯を対象にした支援には批判の声はつきものです。
この背景には未婚者の厳しい経済事情なども関係しています。SNSなどでは「結婚や出産は金持ちしかできない」「子どもをもつことは贅沢」という声があふれています。
本記事では未婚者がおかれる経済状況や子ども・子育て支援金について見ていきましょう。
1. 「経済的ゆとりがないのに…」子ども・子育て支援金、いくら増税するの?
少子化対策に関する施策の中でも注目されているのが、子ども・子育て支援金に関する話題です。
政府は子ども・子育て支援金を個人や企業などから公的医療保険料に上乗せして集める予定ですが、国民からの理解を得難いのが現状となっています。
国民1人あたりの負担額は加入している保険などによって異なりますが、平均額は2026年度は月250円程度と見込まれています。
ちなみに、負担額は年々増える方針となっており、2028年の平均額は450円です。
250円という金額が高いのか安いのかは人によって異なります。しかし、少なくない人たちにとって250円は貴重なお金で、手元においておきたいお金であることは確かです。
現代人のこうした状況はNHKドラマ『燕は戻ってこない』において主人公・リキ(石橋静河)を通して描かれています。
リキは朝から夕方まで病院の事務職として真面目に働くものの、手取りは14万円。第1話では、リキと職場の同僚・テル(伊藤万理華)がランチにコンビニでつかの間の贅沢を楽しもうとする姿が描かれていました。
本作はフィクションであるものの、現代社会においては少ない手取りのために食べたいものを我慢し、「サラダは贅沢品」と考える人は少なくありません。彼らにとって250円はあれもこれも購入できる貴重なお金です。
自分の明日の暮らしもどうなるか分からない中で、現在の子どもたちが支える未来の社会なんてイメージしにくいでしょう。
次の章では、未婚者と既婚者との経済的な「差」を貯蓄からみていきましょう。