6. 年金受給時に後悔しないための「貯蓄術」
ここで、将来資金を準備する際に実践したい3つのポイントをお伝えします。
6.1 世界株への投資
投資する上でまず重要なのが、投資先に成長性が見いだせるのかという点です。
一般的に、成長性が高い資産はリスクも高くなるもの。しかし、それでも高いリターンを狙うのであれば、そのリスクを取ることは必要になることもあるでしょう。
先進国は経済成長が成熟しつつある一方、新興国も含めた「世界株式」というくくりでは、より高い成長性が期待できるかもしれません。
6.2 長期積立による長期運用
次に重要なのが「長期・積立・分散」。金融商品の価格は日々変動するものです。
大きな金額で一括で買ってしまうと、値下がりした際に大きな損を確定させなければならない可能性があります。
しかし、定期的に積立投資をするケースでは価格が高いときあまり買えなくても、価格が安いときに大量に買い付けることが可能です。
取得するタイミングを分散することで購入単価が均され、値動きによる影響を小さくすることができます。
6.3 投資と保障のバランス
最後に、積立投資を長期で実践する場合、定期的な収入があることが前提となります。
70歳代を前に積立に必要な資金がなくなった場合は、資産運用そのものがストップしてしまい、目標到達が困難になってしまうことが想像されます。
また、ケガや病気など、何が原因で皆さんの収入がなくなってしまうかはわかりません。ケガや病気などのリスクにも備え、保険商品などで最低限の保証を備えておくことも重要と言えるでしょう。
7. まとめにかえて
働きながら年金を受給するシニアも増えている現代。
どちらからも住民税が徴収されるケースも存在するため「二重課税では?」と驚く方もいるでしょう。
年金から天引きされるお金の内情を知ることで、ねんきん定期便などに記載された金額を鵜呑みにするのではなく、収入目安額を適切に把握できるはずです。
少子高齢化が加速する日本。現役世代だけではなく高齢者世代にも社会保険料の負担が増加しています。
今後も社会保険料などの負担が増えれば、年金の手取り額がさらに減少する可能性もあるでしょう。年金以外に頼れる老後資金を準備しておくことが大切です。
自分に合った老後資金の備えについ、情報収集から始めてみるのもよいかもしれません。
参考資料
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「年金から所得税および復興特別所得税が源泉徴収される対象となる人は、どのような人でしょうか」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 宮崎県都城市「給与と年金、両方から特別徴収されるのはなぜですか?」
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LIMO(太田彩子)「【年金天引き】給与から「住民税」が引かれるのに年金からも天引き?これって二重課税じゃないの?」
※上記記事の数値を一部記事内に引用しています
足立 祐一