3. 在職老齢年金の該当条件:厚生年金への加入有無

老齢厚生年金を受給していても、厚生年金に加入しなければ、この在職老齢年金には該当しません。

たとえば、老齢厚生年金を受給していても、短時間のアルバイトなどで厚生年金に加入していない方や自営業を始めて厚生年金に加入していない方は該当しません。

厚生年金に加入することで在職老齢年金に該当しますが、厚生年金に加入しなければ、厚生年金が減額されることはありません。

4. 在職老齢年金の留意点:老齢基礎年金には影響しない

年金を調整されるのは、老齢厚生年金。老齢基礎年金(国民年金部分)は調整されず受給できます。

「ねんきん定期便」にて、老齢厚生年金が◯◯円、老齢基礎年金が△△円と確認しておけば、わかりやすいと思います。

その他にも個人で支払っている生命保険会社の個人年金にも影響はしません。

5. まとめにかえて

年金が減らされるのであれば、働かない方が良いのではないかと思われるかもしれませんが、その時々のトータルの収入を考えると働く方が収入を増やすことが可能。

さらに厚生年金に加入することで、年金額計算の基礎となる被保険者期間が増加し、その後の年金(在職定時改定)や退職後(退職改定)年金が増えるかもしれません。

この支給停止調整額も年々金額が増え、2024年度は50万円になりました。かつては40万円後半の頃もありましたが、金額が徐々に上がり調整されにくくなっています。

実際に減額される方は老齢厚生年金が多い方、給与や賞与が多い方ですが、ご自身のため、社会のために働くことは良いことといえるでしょう。

リタイア後も働く予定のある方は、事前にこうした制度面も考えてみてください。

参考資料

香月 和政