2. 2024年度は支給停止調整額が引き上げに

2024年度の年金額は、近年の物価や賃金の上昇の影響により、前年度から2.7%の増額改定となりました。

同時に在職老齢年金の支給停止調整額も、48万円から50万円に引き上げとなっています。

2.1 在職老齢年金の支給停止調整額

【写真1枚目/全2枚】在職老齢年金の支給停止調整額。次の写真で”実際のフローチャート”を見てみよう

在職老齢年金の支給停止調整額

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」

2023年度の支給停止調整額は48万円だったため、2万円増額されることになります。

これらをふまえ、在職老齢年金により年金額がカットされるかどうかのフローチャートは下記のようになります。

代替テキスト:在職老齢年金により年金額がカットされるかどうかのフローチャート
上部キャプション:在職老齢年金により年金額がカットされるかどうかのフローチャート

在職老齢年金により年金額がカットされるかどうかのフローチャート

在職老齢年金により年金額がカットされるかどうかのフローチャート

出所:日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」

2.2 在職老齢年金による調整後の年金支給月額の計算式(2024年度)

  • 基本月額と総報酬月額相当額との合計が50万円以下の場合

→全額支給

  • 基本月額と総報酬月額相当額との合計が50万円を超える場合

→基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円※)÷2

たとえば、基本月額が10万円で総報酬月額相当額が40万円、合計額50万円の場合、合計額が50万円以下のため年金の全額支給となります。

しかし、基本月額が10万円で総報酬月額相当額が41万円、合計額51万円の場合、合計額が50万円を超えるため、年金額が一部減額されることになります。

なお、2023年度までは「支給停止調整額」が48万円だったため、前者の「基本月額が10万円で総報酬月額相当額が40万円、合計額50万円の場合」も年金カットの対象となっていました。

支給停止調整額「50万円」が適用となるのは、2024年6月14日に支給される年金からであるため、該当する方は一度確認しておくことをおすすめします。