3. 将来的に「在職老齢年金」が廃止になるって本当?

厚生労働省は財政検証で、在職老齢年金について、廃止を含めた見直しを検討する方針を示しました。

「財政検証」とは、厚生労働省が5年に1度行ってるもので、公的年金制度の長期的な財政の健全性をチェックする目的で検証がされています。

この財政検証で、国民年金の納付期間を延長して45年にした場合、将来の世代がどのくらい年金額を受け取れるようになるか、試算が行われるということです。

現行の在職老齢年金においては、65歳以上の働くシニアの収入と厚生年金の合計額が月に50万円を超えた場合、年金額がカットされます。

このことから「働き損をしないように就業調整をする」シニアは多くいます。

しかし、近年では少子高齢化が深刻化しており、人手不足となっている背景から、厚生労働省は廃止の検討をしています。

財政検証の結果は、2024年の夏頃に公表される見通しであるため、今後在職老齢年金がどのように変わるのか、もしくは廃止が決定となるのか注目が集まっています。

4. 今のうちから公的年金制度の知識を深めておこう

本記事では、働きながら年金を受け取る際に必ず知っておきたい「在職老齢年金の仕組み」について詳しく解説していきました。

働きながら年金を受け取る場合、年金額が減額または全額カットされる可能性もあります。

人生100年時代と言われているように、現代では平均寿命がのびており、老後期間が一昔前よりも長くなっています。

老後期間が長くなるということは、その分、老後資金の心配も増えることにつながります。

しかし、その不安を解消する1つの方法として「定年後も働く」ことがあります。

在職老齢年金によって年金が減額されるケースがあっても、働き損にならないように調整をしていれば、生活にゆとりのある収入を得られる可能性が高いです。

さらに現在政府は、在職老齢年金の廃止も検討しており、廃止が決定すれば働くシニアの「収入の悩み」が1つ減ることになります。

今後の財政検証によって、在職老齢年金の改正・見直しがされる可能性があるため、しっかりと動向をチェックしておきましょう。

参考資料

太田 彩子