2. 公務員の地域手当とは?支給状況も

前章でもお伝えしたように、公務員は給与とは別にさまざまな手当も支給されます。

具体的には、扶養手当や通勤手当といったサラリーマンでも受け取れる手当以外に、地域手当や寒冷地手当といった特殊な手当も存在します。

地域手当は、地域の物価差を補填する目的で2006年に導入された制度となっています。

地域手当の金額は下記の計算式から算出ができます。

(俸給+俸給の特別調整額+専門スタッフ職調整手当+扶養手当)×支給割合

支給割合は地域ごとに異なっており、国家公務員に限定すると、都道府県の中で最も高いのは東京都で20%です。

公務員の地域手当

公務員の地域手当

出所:人事院「国家公務員の諸手当の概要」

東京都や大阪市、横浜市といった都市部では支給割合が高いですが、富山市や新潟市といった地方は支給割合が少なくなっています。

そんな地域によって差がある地域手当ですが、地方公務員における支給状況はどのようになっているのでしょうか。

総務省の「令和5年地方公務員給与実態調査結果等の概要」によると、地域手当支給団体数とその割合は下記の結果となりました。

【地域手当の支給状況】

  • 全地方公共団体:468団体(26.2%)
  • 都道府県:32団体(68.1%)
  • 指定都市:19団体(95.0%)
  • 市町村:394団体(23.2%)
  • 特別区:23団体(100.0%)

1788団体のうち、地域手当を支給されているのは468団体であり、全体の26.2%となっています。

内訳をみると、指定都市や特別区といった都市部の割合が高く、市町村の割合は低い傾向にあります。

3. 地方公務員の有給休暇取得状況は?

では最後に、地方公務員の有給休暇取得状況を確認していきましょう。

総務省の「令和4年度地方公共団体の勤務条件等に関する調査結果」によると、地方公務員の有給休暇取得状況は下記のとおりです。

【年次有給休暇の平均取得日数】

  • 全体:12.6日
  • 都道府県:12.8日
  • 指定都市:14.9日
  • 市区町村:12.0日

指定都市の有給休暇の平均取得日数は14.9%と最も多く、反対に市区町村は全体の平均値よりも少ない傾向にあることがわかります。

働き方改革に伴い2019年4月1日より、年5日の年次有給休暇を取得させる義務が発生した影響からか、平成31年以降から有給休暇の平均取得日数が増加傾向となっています。

しかし、指定都市と市区町村で取得日数に差が見られることから、今後さらなる施策が必要であるとうかがえます。

4. 地方公務員の給与実態まとめ

本記事では、総務省が公表した「地方公務員の給与実態調査」をもとに、地方公務員の給与や待遇について紹介していきました。

地方公務員の平均給与月額は約35万8824円となっています。

上記はあくまで地方公務員全体の平均給与月額となっており、職種や地域によって変動はありますが、地方公務員への転職を考えている方は参考にすると良いでしょう。

参考資料

太田 彩子