老後生活を支える「柱」となるのが公的年金です。「自分はどれくらい受け取れるのか」と気になってはいるものの、まだまだ先のことだと後回しにしている人も少なくないでしょう。
厚生年金は個人差があり、現段階での受給見込み額は『ねんきん定期便』や『ねんきんネット』で確認できます。
まずは自分の見込受給額をチェックすることが大切ですが、あわせて老後の年金からも税金や社会保険料が天引きされることも理解しておきましょう。
今回は、いま厚生年金を受け取っている人たちの受給額の水準と、天引きされるお金について確認していきます。
1. 【男性の厚生年金】額面「月額15万円以上」は64.9%!
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、男性の厚生年金の平均受給額を見ていきます。
なお、厚生年金は国民年金に上乗せする形で加入することから、老後に受給する年金は「国民年金+厚生年金」となります。
そのため下記の厚生年金の受給額には国民年金が含まれる点にご留意ください。
1.1 厚生年金の受給額ごとの人数(男性)
平均受給額:16万3875円
- 1万円未満:4万2520人
- 1万円以上~2万円未満:1万79人
- 2万円以上~3万円未満:4930人
- 3万円以上~4万円未満:7128人
- 4万円以上~5万円未満:2万2573人
- 5万円以上~6万円未満:5万6631人
- 6万円以上~7万円未満:16万3911人
- 7万円以上~8万円未満:24万2231人
- 8万円以上~9万円未満:24万8550人
- 9万円以上~10万円未満:27万422人
- 10万円以上~11万円未満:34万2760人
- 11万円以上~12万円未満:43万1283人
- 12万円以上~13万円未満:51万9747人
- 13万円以上~14万円未満:62万5003人
- 14万円以上~15万円未満:73万5371人
- 15万円以上~16万円未満:83万5773人
- 16万円以上~17万円未満:92万6898人
- 17万円以上~18万円未満:98万1435人
- 18万円以上~19万円未満:95万8567人
- 19万円以上~20万円未満:87万3863人
- 20万円以上~21万円未満:73万5334人
- 21万円以上~22万円未満:55万3806人
- 22万円以上~23万円未満:37万3837人
- 23万円以上~24万円未満:24万7558人
- 24万円以上~25万円未満:16万2911人
- 25万円以上~26万円未満:10万437人
- 26万円以上~27万円未満:5万8850人
- 27万円以上~28万円未満:3万3028人
- 28万円以上~29万円未満:1万5615人
- 29万円以上~30万円未満:7225人
- 30万円以上~:1万2164人
男性の厚生年金の平均受給額は「16万3875円」ですが、受給者数が多いのは「17万円以上~18万円未満」です。
月額15万円以上を受給する男性は1060万440人で、64.9%であることが分かりました。
現役時代に会社員や公務員などとして働いていた男性の多くが、老後に月額15万円以上の年金が支給されています。
しかし、上図を見ると月額20万円以上の受給者数が一気に少なくなっているのが分かります。
ボリュームゾーンは「月額15万円以上~20万円未満」となるでしょう。
さて冒頭で申し上げたとおり、老後に受給する年金からも税金や社会保険料が天引きされます。
次章で「月額15万円」の場合、何がどれくらい天引きされるのかをシミュレーションしてみます。