2. あわせて確認したい「年金額改定通知書」とは
年金額改定通知書とは、年金額が物価や賃金の変動に応じて改定された時に、改定額を知らせる通知書です。
2024年度は、年金額が2.7%の増額改定となり、年金振込通知書と同じタイミングで「年金額改定通知書」も届くため、あわせて確認しておけると良いです。
年金額改定通知書に記載されている項目は、下記のとおりです。
- 国民年金(基礎年金)
- 厚生年金保険
- 合計年金額(年額)
年金額改定通知書をみれば、ご自身の年金額に2024年度の改定額がどのくらい反映されているかを確認できるため、目を通しておきましょう。
3. 2024年度の年金額はどのくらい増額された?
前章で2024年度の年金額は2.7%のプラス改定になったことをお伝えしましたが、具体的にどのくらい増額したのでしょうか。
厚生労働省が公表した資料によると、2024年度は国民年金で「+1750円」、厚生年金で「+6001円」の増額改定となっています。
- 国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分)
- 厚生年金:23万483円(標準的な夫婦2人分)
国民年金は満額受給を想定した「1人分」の金額であり、仮に40年間未納なく保険料を納めていた場合は上記金額を受給することができます。
厚生年金の場合は「標準的な夫婦2人分」の金額であり、これは国民年金を含む年金額となっています。
ここでいう「標準的な夫婦」とは、下記のケースを指しています。
- 夫婦ともに国民年金を満額受給
- 夫が厚生年金(平均標準報酬43万9000円で40年間就業)
なお、厚生労働省が公表した年金額例はあくまで、国民年金満額受給の場合と標準的なモデル夫婦の場合であるため、一概に全ての人がこの金額を受け取れるわけではありません。
ご自身の年金額についてより詳細に知りたい場合、年金をすでに受け取っている方は「年金振込通知書」を、まだ受け取っていない方は「ねんきんネット」または「ねんきん定期便」で確認することをおすすめします。
4. 老後の収支シミュレーションは「手取り額」で行おう
本記事では、年金振込通知書の見方について詳しく紹介していきました。
現役世代の人たちが「給与明細の天引き額の多さ」に驚くのと同じように、老後も「額面の金額と手取り額」との金額差のギャップに落胆する人が多いです。
年金振込通知書に書かれた額面の金額(総支給額)で、老後の収支シミュレーションをしてしまうと、実際の生活時にずれが生じてしまうため、必ず手取り額で収支の計算を行えると良いでしょう。
参考資料
和田 直子